第三十六話 北の街その十一
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「馬や驢馬達にあったまってもらおうか」
「魔法の鞍かよ」
「この街の道具屋にあったよ」
「それを馬に着けると馬があったまってか」
「寒さも平気みたいだよ」
「よし、じゃあそれ買ってな」
その魔法の鞍をとだ、久志はすぐに決めた。
「馬や驢馬達も寒くない様にしようぜ」
「気配りでござるな」
慎太は久志の決定を受けて彼に言った。
「まさに」
「だから仲間だからな」
「それで、でござるか」
「大事にしないといけないだろ」
冒険の仲間ならというのだ。
「やっぱりな」
「いい考えでござるな」
「ああ、馬も本当にな」
正もこう言う。
「仲間だからな」
「愛情を以て接してでござる」
「大事にしないとな」
「だから鞍をな」
魔法のそれに買い替えてというのだ。
「暖かいのにしような」
「ではそれまでの鞍はどうされますか」
「売るよ」
即座にだ、久志は順一に笑って答えた。
「それはな」
「やはりそうされますか」
「捨てたら勿体ないだろ」
「はい、確かに」
「だからな」
「売ってですね」
「少しでも金の足しにするぜ」
こう言うのだった。
「そうするな」
「お金は多くてもですね」
「無駄にしないってな」
順一にこうも話した。
「それが俺の考えなんだよ」
「貴方は確かにお金についてはしっかりしていますね」
「どうもな、子供の頃からなんだよ」
「お金についてはですか」
「自分でもしっかりしてると思うぜ」
こう言うのだった。
「それでな」
「今もですね」
「これまでの鞍を売ってな」
「お金にしますか」
「そうするな。鞍も売れるからな」
それも結構な値段でだ、この島でも馬は貴重な家畜でそれに乗る為の馬具は結構高価なものなのだ。
「売るぜ」
「それでは」
「ああ、じゃあ鞍も買い替えて」
そうしてというのだった。
「さらに北に行こうな」
「僕達も暖かくして」
今以上にとだ、源三も笑って話した。
「行こうね」
「ああ、全員な」
源三にも笑って応えてだった、久志はさらに寒い場所へ行く用意をしようと決意した。そして実際にさらに服や防寒具を買い鞍も買い替えた。そのうえでコペンハーゲンからさらに北に出発するのだった。
第三十六話 完
2017・10・1
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