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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica8-A邂逅〜Koenig der Unterwelt und Kaiser〜
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徒たちの視線を一手に引き受けることに。

「・・・はぁ。とりあえず場所を移しましょう。近くに空き教室がありますので」

「判りました」

彼女の後に続いて入った教室は確かに無人で、しかも付近にも人気は無いので、ここでなら多少大きな声を出しても外にまでは漏れないでしょう。室内に入ったきりこちらに振り向かない彼女に「なぜ、ヴィヴィオ達の元へ行かないのです?」と尋ねた。

「その考えこそ私にとって、なぜ?ですよ、イクスヴェリア陛下」

「・・・聖王女オリヴィエ、魔神オーディン様。その本人ではないとはいえ、かつての貴女が共に戦った戦友で、友人なのでしょう?」

「たった今、あなたが言った通りです。あの2人は、オリヴィエ殿下でもなくオーディンさんでもない、ただのクローン。仲良くする道理はありません」

複製(クローン)。あの子たちと深い関係になった今、その言葉が胸に刺さって痛む。あの子たちが生み出された経緯はすでに聞き及んでいます。兵器として利用されるために生み出されたのだと。悲しかった。この子たちまで・・・と。

「この短時間に疑問ばかりが生まれてきますね。ならば問いましょう。どうして貴女は、ヴィヴィオとフォルセティを見守るような真似をしているのです? 先ほどもそうでしたが、以前からあの子たちを見守っているそうではないですか」

「・・・!」

「なぜです? 友人になりたいからなのではないですか?」

「違います・・・」

「切っ掛けが欲しいのですか? では私と共に参りましょう。あの子たちは本当に優し――」

「違いますっ!」

声を荒げて否定をしてきました彼女は肩で息をして、数度の深呼吸の後に「私に友人など不要です」と言い捨てました。

「ではどうして?」

「私は覇王。覇王ハイディ・アインハルト・ストラトス・イングヴァルト。覇王クラウスの思いを受け継いでいます」

「それがなにか?」

「覇王とは読んで字のごとく覇を成す王なのです。現代を生きる古きベルカの数多の王を打倒し、そしてベルカの、ミッドチルダの、いいえあらゆる次元世界の天地に覇王の名を轟かせる。それが私の成すべき事なのです。聖王も、魔神も、雷帝も、そして冥王、あなたも・・・。私が打ち倒します」

あまりの愚見にさすがの私も絶句せざるを得なかった。彼女はそれだけを宣言して、私の隣を通り過ぎようとしましたが、私は「待ちなさい!」と制止する。

「何を言っているのか解っているのですか! ベルカという世界はもうすでに亡んでいるのです! 当時の王も当然死去していますし、その末裔も争いとは無縁の世界に生きています! それを、貴女の独り善がりな執念で邪魔をするというのですか!」

「・・・。覇王流カイザーアーツと覇王イングヴァルトの
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