ep19 兄さんの機体
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彼はガンモニターを上から下げてガシリと構え、敵を捉える。
「デュナメス、目標を狙い撃つ!」
一筋の閃光がB国所属のユニオンリアルドを貫き、爆発する。ロックオンは続いてトリガーを引き、敵MSを撃ち落としていく。
ピピっというセンサー音が鳴り、モニターが自動でアップされる。A国軍事基地に向けて接近するB国の地上部隊だ。
『作戦通り、俺が地上部隊を叩く。上は任せる。ロックオン』
「了解だ。頼んだぜ」
エクシアが飛翔し、山岳から地上へと降りていく。地上に足をつけたエクシアはロングライフルを敵部隊に向け、次々と戦闘不能にしていった。
「すげぇ当てるなあ、あいつ」
それを聞いたハロが目を点滅させながら声を発する。
『ロックオンマケソウ、ロックオンマケソウ』
「言うじゃないの、ハロさんよ。俺はお役御免ってか?」
ロックオンはヘラヘラと笑いながら再び射撃を始める。全ての攻撃が敵の中に吸い込まれていった。
「伊達に兄さんの弟やってるわけじゃないんでね」
空戦部隊はGN粒子の干渉でレーダーこそ使えないが、デュナメスに対して攻撃をしかけてくる。ロックオンはそれらを全て回避した。
「この機体には傷1つつけたくないのが本音だ。悪いが狙い撃つぜ!」
空戦部隊の残機が4機になったところで、彼らが撤退を始めた。地上を見ると、B国軍の部隊が基地から遠ざかっている。あちらも戦闘が終了したらしい。
刹那が言った。
『作戦完了。撤退しよう』
「ああ」
ロックオンは生返事で答えて、帰還ルートに入ったエクシアの後を追っていった。
無人島
ソレスタルビーイングが使用している無人島に帰ってきたロックオンは、コンテナに入れたばかりのデュナメスを見上げた。
かつて世界に対して喧嘩を売ったガンダム。まさか自分がこの機体に乗ることになるとは思ってもいなかった。
コクピットから降りた刹那が声をかけてくる。
「どうした」
「ちょっと兄さんの機体を眺めてただけだよ。年季入ってるなあと思ってね」
刹那もまたロックオン同様、デュナメスを見つめる。やがて彼は言った。
「今はあいつの機体じゃない。お前の機体だ。だから気遣いなんていらない」
刹那の言葉を受けて、ロックオンは一瞬言葉を失う。それから苦笑いを浮かべて呟いた。
「心を読むなっての、このイノベイターめ」
だが、刹那の言葉が自分の中にある柵を消してくれたような気がした。
ーーこいつの言葉にあやかるってのもあれだがな……。
ーーデュナメス。ありがたく使わせてもらってるよ、兄さん。
ロックオンはそれ以上は何も言
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