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ラピス、母よりも強く愛して
19第一回火星海戦
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 先行決死隊及び優人部隊。
「これより地球艦隊に突入するっ、彼我の速度差は大きい、衝突すれば双方が破壊されるがそれは構わんっ、一人一殺、一撃離脱の後、減速しながら火星を一周し、さらに攻撃を加える。第一目標は地上の住人に対して質量攻撃が可能な中小型艦のみ、大型艦艇には目もくれるなっ、日頃の訓練の成果を見せよっ!」
「「「「「はっ!」」」」」
 木連軍の士気は高く、さらに決死隊ともなると、宗教的陶酔に満ちた兵士が、散華や殉教を目指して死に急ぐ。
 ラピス教団でも自殺は禁じられ、殉教後の天国なども約束されていないが、それでも兵士たちは死を願った。
 地級艦に比べると小さい、居住性など一切考慮されていない中型の艦艇から、無人、有人の小型艦が爆装したまま分離し、減速中の戦隊を追い越しながら突っ込んでいく。
 個体火力の小ささもあり、最大火力の誘導弾を発射後は、帰投も補給も考えにくく、行動を別にした母艦自体が会敵後生還を期していない。
 無人機も有人機も発射後は自機と命を弾として砕ける戦法を迷わず選んだ。

「優人部隊突貫! 魔神、電神、鉄神、直ちに跳躍開始! 地級艦隊中央に出現し指揮艦艇を掃滅せよっ! 卑怯な奴らだ、病院船に隠れているかも知れん、赤い十字も迷わず目標とせよ!」
 相対速度を無視できる「ジン」部隊は艦隊中央への特攻を命じられた。
 先遣艦隊の決死隊が長円軌道で火星を一周してくる間、何の援護も受けられず、駐留艦隊と等速で移動して集中砲火を受け、数瞬跳躍空間に隠れる以外は逃げ道もなく、殲滅されるまで破壊を続ける。
「今までありがとう、靖国で会おう」
「おう、次は靖国で」
「女神様のためにっ!」
「ああ、女神様万歳」
 目が完全にイっている九十九や元一郎も、同じ合言葉を整備兵と交わして出撃して行く。
 しかしそんな行動は明人には許されないので、無限エネルギーと絶対防御が施された電神出撃時には違う言葉が交わされた。
「いや、俺は生きて帰る、女も待ってるしな」
「そうか、それじゃあ酒保で何か美味いものでも食おう、俺が奢る」
「ああ、泳いででも帰ってやるさ」
 明らかな自殺作戦を生きて帰ると言った明人を、笑って見送る整備兵。どちらも生還は期していないので、次に会う場所は靖国だと信じていた。

「よく間に合わせてくれたっ、ありがとうっ、ありがとうっ」
 配備が間に合わなかった雷神、炎神の骨格を持ち込み、予備部品などを掻き集めて準備された機体に搭乗する秋山。跳躍空間には降りられず、単機での近距離跳躍程度は可能になっていた。
「俺も逝ってきます、これまでありがとうございましたっ!」
 当然、両機とも与圧機能も無く、片手と爆薬しか積んでいない特攻兵器に喜んで乗り込む三郎太。
 九十九達とは同行できないが、戦隊と同じ軌道
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