19第一回火星海戦
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た。
「ああ、靖国で逢おう」
高高度降下から低高度開傘、全員血の小便が出ても、さらに訓練した成果により、一人の脱落者も撃墜者も出さずに開傘、着地した。
「目標! 地球人基地! 格納庫内の機動兵器を爆破掃滅せよ! 展開後瓦斯を放出、火に近寄って瓦斯を無駄にするなっ!」
大型の機動歩兵は集結を待たず突撃を敢行した。木連にはジュネーブ条約が存在しないので、ABC攻撃、核兵器、細菌兵器、ガス兵器による攻撃が許可された。全てがルナリアンであった祖先が受けた攻撃と同じである。
「城塞都市には銃口を向けるな! 住民は新たな兵士であるっ! 火星人、月星人は同朋であるっ! 仲間を傷付けるなっ!」
小型核兵器を発射し、防爆仕様の格納庫を貫通して破壊を続ける大型の機動歩兵。
次元歪曲断層などは搭載されていないので、放射線の嵐に突き抜かれて長生きは出来ない。
現在基地外部に展開されている兵力が反転帰投次第、包囲殲滅され、弾薬が尽きれば自機のエネルギーを持って搭乗員もろとも自爆する計画である。
投降して機体が鹵獲分析されるような無様な行動は許されてはいない。
火星駐留艦隊。
「地上軍が攻撃を受けていますっ、質量兵器によって各基地は被害甚大、これは統制された軍事行動ですっ! 残存兵力にも降下部隊が降り立って、掃討されている途中ですっ、直ちに救援をっ!」
当直士官からの報告にも、酔ったままの幕僚は反応せず、勤務時間外に起こされた事にも激怒して、士官を罵り続けた。
「馬鹿もんっ! 地上軍の被害などで起こすなっ! ここは宇宙軍だぞっ! 一体何を考えとるんだっ? 頭がおかしいのかっ!」
もちろん頭がおかしいのは幕僚の方で、地上を破壊した艦隊は一隻も欠けること無く重力ターンと減速を成功させ、駐留艦隊に向かって殺到している。
「木星艦隊は全艦重力ターンを終了、こちらに向かっています、せめて大気圏内であれば姿勢を崩すだけで撃退できたはずですっ、もう会敵は間違いありません、今すぐ戦闘準備をっ!」
「ふざけるなっ! 木星艦隊など存在せんのだっ! せめて正体不明のテロ集団と呼べっ!」
そこでようやく到着したフクベ提督に詰め寄る士官たち、地上軍への攻撃や被害では、艦隊に警報も出せず、もちろん戦闘配備の命令などできない。
「提督っ、ご決断をっ! 艦隊決戦は不可避ですっ、直ちに戦闘配備をお命じ下さいっ!」
「あ〜? 今日の当直指揮官は誰だったかな?」
フクベ提督まで深酒で酩酊し、駐留艦隊トップまでが腐敗していた。
(((((だめだこりゃ)))))
命令違反を犯して当直士官だけで警報を発令、戦闘配備をしたが、下級士官、一般兵士は笑うだけで、寝間着のまま部屋を出て、いつもの訓練か抜き打ちの訓練に笑い、怒り、罵りながらも集合しなかった。
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