17ピカチュウがんばりまチュウ
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に捩じ込まれ、これ以上不敬な発言でもして、町内全部の空気が抜かれないよう処置された。
「ううおっ、おむううっ」
「確かに承りました、奥様と息子さんのお命だけは、私共でお助けします、ご安心なさって下さい」
「左様ですか、お手数をお掛けします」
学校ではこの程度の不敬は日常で、警報が鳴りっぱなしでも笑いさざめく女達だが、ラピス達にも操られている連中の前では冗談では済まされないのを見誤ったピカチュウは、宇宙の藻屑になる寸前であった。
「遺伝情報は残されますかな? ここに手を当てさせれば記録できますし、女の子ですから卵子だけでも残せば子供だけでも…」
「いえいえ、こんな娘の遺伝では、また非国民が生まれるだけ、お恥ずかしい限りです」
「そうですか、それでは」
簡単な手順だけでエアロックの開閉手続きが終わり、内壁が開いて放り込まれたユキナ。
後は外壁が開いて吸い出されれば、レンジの中の卵になって、外に吸い出された瞬間爆発炎上して、月面よりも綺麗に分解される。
「うおおっ、おもううぃっ!」
内壁が閉まるまでにどうにか起き上がって、扉の間に挟まって自分の投棄を防いだピッカチュー。
「往生際の悪い子だねえ、ご両親もご立派で、お兄さんは親衛隊の隊長まで仰せつかる人なのに、どこからこんな子が?」
ドアに挟まったユキナを蹴り出し、戻ってこないようにしながら閉鎖ボタンを押す郷長。
「あみゅえyfhsがsjkghzfdぐsdせがshじゅdがwghっ!!」
普通はここまで連れてこられる間に腰が抜け、立つこともできなくなり、土下座謝罪でもすれば許されるが、見苦しく足掻き続ける無様なピ〜カチュー。
「これ以上家の恥を晒さないでおくれ、妹がこれでは、九十九の値打ちまで下がってしまうわ。今まで一等だった胤も、お前のせいで三等は落ちるよ、家の格どころか、家が終わった、本当に親不孝な子だよ、お前は」
母からも汚物を見る目で見捨てられ、絶望のままエアロックの中に残ったユキナ。
「心配するな、すぐに私も後を追う。しかし、お前は女神様の天国には迎えられんだろうから、ここでお別れだな」
「ううううう〜〜〜っ!」
父からも汚物を見る目で見下げ果てられ、噂の天国にも迎えられない自分。ここでようやく腰が抜けて、自分の愚かさに気付いて、諦めて床に転がった。
(お兄ちゃん、ゴメン、もう会えない)
兄に別れを告げて目を閉じ、エアロックの外壁が開いて、外に放り出されるのを待ったが、そこでようやく救いの手が現れた。
「待って下さいっ!」
そこには帰宅したはずの影山明人が立っていた。ジャンプして来たので走っていないはずだが、演出のために息を切らせて大汗をかいている。
「明人君、どうして?」
「雪菜さんを捨てないで下さいっ、お願いしますっ」
その場
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