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ラピス、母よりも強く愛して
16火星革命政府誕生(複数)
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よる死者です』
 占拠された放送局では、ありもしない水や食料の配給の増加、難民棄民にも住居を提供するなどの空手形を出しまくり、どこかの民主党ぐらいの面白おかしい宣伝工作で民衆を自分の陣営に引き込もうと争っていた。
 死刑反対論者とリベラリストが、処分が決まっていたような重犯罪者まで冷凍から覚ましてしまい開放。
 処分されてしまったクズの人数を発表して、政府の犯罪を暴き立てたつもりになって宣伝。
『犯罪者の殺害件数は政府統治前の20倍以上、軽い窃盗の前科があるだけで広場で吊るされて、僻地のコロニーでは犯罪件数が低下に転じました』
 犯罪者を街に解き放ち、さらに絶望的な状況に追い込み、解放後即、殺人レイプ強盗傷害を実行、治安が悪化して、犯罪者は市民がリンチで殺すか、疑わしい人物は広場に連れて行って高い所に吊るした。
 どのコロニーも火星政府が機能していた頃より死体で埋まり、街路樹や街灯には必ず死体がぶら下がっている楽しい光景が広がり、政府が倒れたので食料も水も供給が止まり、旧火星居住者が難民キャンプやテント村に行う迫害も、武器を携行した狩りに発展し、面白いように人口が減っていった。

『現在、日用品や作物の窃盗だけで死刑、コロニー内の道路、居住区での排便でも絞首刑。自警団が狩りを行い始め、難民キャンプ、テント村への襲撃は数え切れず、まだ件数が把握できないほどです』
「宜しい、放送では更にデマを流し、難民キャンプにいるゴキブリを処分しない限り、放火、略奪、レイプの被害に遭い、家族が殺されるとイメージさせなさい」
『了解』
 この会話を聞けば、救世主のアキトがラピス母を殺してしまう。
 そうするのが最善の解決方法なのだが、脳内の通信限定で通話、オモイカネ型人工知能の思考速度と等速なので、高速すぎてアキトや人類には傍受できない。
 テレビやネットでは食料がなくなった難民キャンプの略奪者が暴動を起こし、コロニー居住者を襲撃して殺害する映像が途切れること無く垂れ流された。
 炎に包まれて壊滅するコロニーの映像も流し続けられ「殺さなければ殺される」の論調が既定路線になった。
 地球でもこの状況は一切報道されず、今まで通り治安が悪すぎる火星に棄民される人員は山のように送り込まれ、航路も空港も今まで通り機能してゴキブリを野に放ち続けていた。

 やがて、放送局が旧火星政府の犯罪行為を調査するうち、砂漠の中で地平線まで続く墓標が何箇所も確認された。
 重犯罪者が薬物を与えられ、笑顔のまま穴を掘り、自分の墓標になるモノリスに名前を刻んで設置、自分の記憶と思考回路を転写してから墓穴に入り、新しく送られてきた人物が土をかけて埋葬し、また自分の墓穴を掘って埋まり続けていた。
「ごらん下さい! これが旧政府に殺害、埋葬された方達の墓標です! 数え切れま
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