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ラピス、母よりも強く愛して
15連続爆破テロリスト、イネスフレサンジュ逮捕
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教室前で行われるはずのない逮捕劇を、幼い学生に突き付けるはずのない拳銃まで出して、全員に見せる演出のためだけに、この場で行った。
「なっ?」
「先程のテロ計画のお話の続き、是非お伺いしたいのですが? 庁舎までご同行願いますか」
「イネス・フレサンジュ、テロ実行犯の関係者として逮捕する、これが令状だ、8時20分、間違いないな?」
「そんなっ、あたし何も知らないわよっ」
 即座に手錠を掛けられ拘束、脊髄の信号を遮断する逃走防止用の首輪まで付けられ、ラピスやアキトと話す暇も無く連行されて行くアイ。
「アイッ、俺の妹をどこに連れて行くつもりだっ」
「アイちゃん!」
 黒服に取り押さえられ、そのまま見送ることしか出来ないアキト。ラピスはこの計画の全てを知っているので驚きもせず、表情だけ変えてアイを見送った。
 普通ならアキトもラピスも関係者として同時に拘束されるはずだが、連行しているのも当然ラピス側のアンドロイドで、政府関係者などにアキトの「嫁」を任せるはずがないラピス母。

「おいっ、あいつ何やらかしやがったんだ?」
「前からおかしいと思ってたのよ、ネットのニュースより詳しいし、知らないはずの事件を全部「説明」するんだもの」
「あいつ、まさか太陽の牙なのか?」
 説明的なセリフを言わされているモノも、アイを疑わしげな表情で見送っていた。
「おいアキトッ、何か知ってるのかっ? お前も仲間なんだろ?」
 昨日の投石メンバーや他の男達にも近寄られ、憧れのテロ組織の話を聞き出そうとしている一同。
「アキトッ、すぐに助けに行かないとっ、庁舎や軍の施設に入られたら、もう救出できないっ! ATを取りに行くわよっ!」」
 わざとクラス全体に聞こえるように、大きな声でアキトを即すラピス。さっきの政府関係者を名乗る連中にも聞こえてしまうのに、そこは気にしていない。
「ああっ、行こうっ」
 クラスメイトを振り切って走り出すアキトとラピス。
 ラピスのセリフの中にも「AT」とか分かりやすい単語が入っていたので、騒然となる教室。
「おいっ、あいつらがAT乗りだったのか?」
「俺、あいつの家のAT乗せてもらったことがあるぞっ、ちょうど3機あった。最近見ないから没収されたのかと思ってたけど、隠してたんだなっ!」
 既に泣き始め、憧れの英雄を追って走り出す少年たち。そんな旧式が軍隊に敵うはずも無いが、相手は子供なので、子供騙しの戦術や嘘に簡単に引っかかった。
「俺らも行こうぜっ!」
「「「「「おおっ!」」」」」

「ママッ、ATを出してっ、今すぐっ! アイが捕まったわっ」
 走りながら母に連絡し、既に準備が終わっている物を準備するように通信するラピス。セリフも脚本も決定しているらしい。
 本来同時に家宅捜索が入るはずだが、それも出撃まで待
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