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ラピス、母よりも強く愛して
13ブラックアキト
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出産を担当したラピス、各惑星に存在する遺跡の責任者の顔写真とデータも提示されていた。
「それを見て眉一つ動かさぬとは大した奴だ。そう、お前を腹の中で育て、出産を担当した母親はこの私。テンカワ・アキトをベースとして生産された上級アンドロイド。木星、火星、地球、全ての人類を統治する支配人で管理者、もしくは人類全てを破滅させる存在、それがお前だ」
「畏まりました、皇帝陛下」
「もうその名で呼ぶな、我が息子よ。確かに我らは遺伝的な繋がりが無い。しかし10ヶ月もの間、お前と私は繋がり合い、我が身から養分と骨を奪い取って、文字通り血を分けて与えて育てた親子。この身から産み落として、その肉体の全てを与えた愛しい息子、お前は我が身よりも、この生命よりも何倍も大切な我が子なのだ、もっと特別な呼び方があるだろう?」
「はい、私のまだ短い人生で、母と呼んでいた者が一名、ママと呼んで敬っていた者が一名おります。その同等以上の存在として「母上」と呼ぶのをお許し下さい」
「許す。二人だけの時はもっと砕けた呼び名でも良いぞ? ラピス、お前、俺の女、ベッドで耳元から「俺の子供を産め」と命じろ… 火星でお前の面倒を見ていた女のように、上に乗って「ママ」と呼んで達しても良いのだぞ? お前さえ嫌でなければ是非そうするが良い、我が胎内に帰って来い」
「はい、それでは遠慮なく」
 ブラックアキト、改名後は影山明人と名乗るアキトは、産みの母親に近寄って、大胆に口付けをした。
「良い、我が人生でニ番目に良い日だ。一番はこの身にお前を宿し、子宮に着床した日。三番目はお前を産み落とした日だ。陣痛と出産の痛み、お前と私を繋いでいたへその緒が切れてしまった別れの日でもあるから、余りめでたい日では無いが、それでもお前がこの世に生を受けてくれた誕生日でもある、我が最愛の息子よ」
「は、有り難き幸せ」
「もうその話し方もやめるが良い、お前には私を傅かせ、組み敷いて犯し、子供を産ませる権利があるのだから」
「はい、私は既に貴方と同じ顔のラピスを抱き、「ママ」と呼んだ女と交わった事もあります。産みの親であっても、特に抵抗はありません」
「実に良い日だ。私を母上と呼び、また「母さん」と「ママ」とも呼んで犯せ。この身、まだ男を知らぬ体から、乙女を奪ってお前の物とせよ、何もかも踏み躙って、皇帝をお前の奴婢とするが良い。さあ、来い」
「はっ」
 この日、皇帝ラピスは最愛の息子であり、最愛の夫を取り戻した。女として初めての幸せを知り、初めて男を知って最愛の人の子を孕んだ。

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