13ブラックアキト
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王宮
その後、現皇帝で戦闘指揮官でもあるラピス赤に説教されているラピス29号右。
「またこのような事件を起こすとは、まだ懲りてないようだな? 今度は4分の1に切って追放してやろうか?」
「ごめんなさい、でもアキトが「ゴミ」を4人ジャンプさせようとしたの、火星ならともかく、ここの子供は死んでしまう。もしそれでアキトが苦しんだりしたら、私、私っ!」
「もういいっ、お前に言われずともそれぐらい分かる、ならば何故ジャンプフィールドを中和するなり、お前が消すなりしなかった? アキトに会いに行きたかったのであろう」
「それは……」
「こちらのアキトは人間嫌いになって、我々が知っていたアキトのようになるのだ、ヒトの4,5人殺せないでどうする?」
「違うっ! そんなのアキトじゃない! アキトは虫も殺さないのっ、網で捕まえて家の外に逃がしてあげるのっ!」
生来の優しいアキトを思い、口元をほころばせるラピス皇帝。
「そうか「お前の」アキトはそうなのだな」
笑われたの気にくわないのか、刺すような目で睨んでいるラピス右。
「ほう、その目付き、アキトをまた鬼神に変えようとするなら、誰とでも戦うと言う目だな、面白い」
立ち上がって歩いて来るラピス皇帝、個体戦闘力ではラピスの中でも最強の部類である。大した能力も戦闘艦も持っていない子供ラピスには、到底歯向かえない相手であった。
「くっ!」
どんなシュミレーションをしても、このラピスには勝てない、自爆、もしくはフィールドを中和し合い、太陽に焼かれる以外方法は無かった。
(アキト、もう会えないかも知れない)
アキトに貰った胸のペンダントを握って、お別れの言葉を呟いてみる。
「無駄だ、ジェネレータ出力も私の方が上だ。そう意気込むな、それより、お前のお陰でアキトを怒らせる良い方法ができたぞ」
ラピス右の前でしゃがんで背丈を合わせ、顎を持ち上げる皇帝。
「そう、こんなシナリオもあったな、年頃になったお前が殺されるとか…」
きっとラピスが師匠?に殺されて、アキトが「フェニックスの聖衣」を纏うようなシナリオもあったらしい。
「腐った奴らの宮廷闘争果てに地球人に売り渡されて消える。これでどうだ? 木連も敵、地球人も敵、お前以外は全てアキトの敵になるのだ、はははっ!」
「何て事を」
「押し掛け女房の馬鹿ユリカでも、あれだけ怒って追いかけたのだから、自分がどこまで愛されているか、試したくはないか?」
「…………」
痛いところを突かれ、戦意を喪失するラピス。当時は実験で殺されたジャンパー達や、アキト自身も五感を奪われた怒りから戦い続けていたが、果たして自分の為になら何をしてくれるのか、興味が無い訳では無かった。
「まあいい、時間はまだある、アキトはすでに両親を殺そうとした地球人を憎ん
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