13ブラックアキト
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忘れ、新たな発見をしながら、すっかり別の世界に浸っているラピス。
「き、君が天河明人か?」
あの女神ラピスの目が、ハート型になっている珍しい光景を目にした兵士は、そこで立ち止まった。
「そうです」
もし乱暴に引き離したり、アキトに殴りかかったりしていれば、すぐに木星の中心に放り込まれていたので、それは懸命な判断と言えた。
「第一班、姫様を確保、繰り返す、姫様を確保! 後続は校庭と校舎内を固めろ!」
教室では10体ものパワードスーツが、床を踏み割りながらラピスの盾になって周囲にブラスターを向けていた、他の子供の安全と命はどうでもいいらしい。
そこに雪崩れ込んで来た大勢の兵士、警官、消防士、救急隊員。校庭には沢山のパトカーや救急車以外にも、消防車、ポンプ車、はしご車、化学消火車、ガス漏れ緊急自動車?などなど、まるでハリウッド映画のエンディングのように、サイレンと回転灯が付いた車が勢揃いしていた。
「姫様、なぜこのような場所に跳躍なさったのですか?」
「あのモノ達がアキトを虐めました」
「こ奴等ですか」
鬼のような顔をした兵士や警官に睨まれ、腰を抜かして座り込んでいる子供達。
もうどんな馬鹿でも自分の末路は予想できたので、体中の穴から水分を垂れ流し、死刑になるのをイヤイヤして首を振って、兵士たちから後ずさっていた。
「「「「ひぃいっ!!」」」」
「連れて行け」
「「「「はっ!」」」」
特高警察の男が一言呟くと、周囲の巡査達が一斉に動いた。
「「いやだぁあああ!!」」
「「たすけてぇええええ!」」
まるで死刑囚のように、その場で失禁して足腰が立たないまま連行されていく子供達。それを見た他の子供は、何があってもアキトには手出ししないよう、心に誓っていた。
「待ってよ、何もそこまでしなくても」
「でも、あのままジャンプしてたら同じ事よ」
「俺だって殺すつもりは無かったよ、だから許してやってよ」
「うん、やっぱりアキトは優しいっ、あの子達も「お説教」されたら、すぐに帰って来るわ」
そのお説教とは「脳をほじくり出されて、別のチップを入れられる」と言う意味だったが、それはあえて言わなかった。
「白鳥さん、月臣さん、アキトを助けてくれてありがとう、これからもアキトをよろしくっ」
他の生徒や教師を見る時は例の三白眼だったが、アキトやその仲間を見る時だけは、営業スマイルだった
「私のような者まで名前を覚えて頂いているとは、光栄でありますっ」
この時点で永遠の忠誠を誓う元一朗、非常に分かりやすい男であった。
「姫様、ご下命確かに拝領いたしました。この白鳥九十九、命に替えても天河殿をお守りいたします」
こちらも知的水準は高く調整され、ラピスやアキトへの忠誠度も限りなく高く製造されていた九十九。
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