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ラピス、母よりも強く愛して
13ブラックアキト
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 俺は酒がないとダメなんだよっ、それぐらいわかってるだろ?」
 酒の事になると、人が変ったように荒れるアキト。
「だめっ! もうこれ以上呑んだらアキトは死んでしまうっ、もうお酒はやめてっ」
「うるせえっ! 誰のせいでこうなったと思ってるんだっ、すぐに買って来い」
 湯呑みを投げ付けられ、泣きながら酒を買いに行くラピス、だが玄関には二人の男が立っていた。
「あ、貴方達は……」
「ラピス様、お迎えに上がりました」
 すぐに振り返り、家の中に向かって叫ぶ。
「逃げてっ! アキトだけでも逃げてっ!」
 しかし、ラピスの叫びもむなしく、すでに家の中で取り押さえられ、数人の男に殴られているアキト。
「さんざん手間を取らせてくれたな、たっぷりかわいがってやる」
「こんな所までラピス様を連れてきて、その挙句がこれかっ、この下衆野郎っ」
「ぐあああっ!」
「やめてっ! アキトは悪くないのっ! 私が、私が悪いのっ!」
「ご同行願います、さあ、あちらへ」
「いやっ! アキトッ! アキトを許してっ!」
 萌え尽きて真っ白になっているラピス。以上、8歳の少女の妄想であった。

「おまえ…… 姫様のともだちなのか?」
「そうだ、火星から一緒に来た」
 感動の再会を邪魔する子供がいたので、ラピスがどこかに消そうと思ったが、抱き会ったままアキトが応対したので、話が終わるまで待つ事にした。
「そう… なの、か?」
 今の木連では、ラピスに対する不敬が、どのような罪になるか子供でも知っていた。
 女神像、絵、写真などに落書きしただけで「死刑」である。
「お前達を破門する、さらに不敬の罪、国家反逆罪、政府転覆の計画……」
 ラピスがアキトに聞こえないように何か呟くと、周りの子供達は真っ青になって震え出した。
「「「「ひっ、ひいいいっ!!」」」」
 政教一体になった木連では、ラピラピ教を破門になると一切の人権を失う。さらに国家反逆罪ともなれば、一族郎党、九族まで滅殺であった。

「全員動くなぁーーーっ!」
「姫様っ! ご無事ですかっ?」
 ゴタゴタしている間に、火炎を吹いて爆音を鳴らすVTOL機が窓に横付けされ、窓を破壊して複数の起動歩兵が突入して来た。
 照明器具は全て消えて空襲警報発令、重力警報も発令、太陽フレア警報、木星フレア警報、空気の漏洩汚染警報、あらゆる警報と警告が発せられ、公共放送の退避勧告と退避場所、防空壕への案内が表示されている教室。
 そこで抱き合っている二人を見付け、アキトを引き離そうとする。
「そこの子供っ! 姫様から離れろっ!」
 走って来る起動歩兵に気付き、ラピスを背にしてかばうアキト。
(はっ!アキトが私を庇って…… ああっ! こうして見ると、アキトの背中って広いんだぁ(は〜と))
 今の状況を
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