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ラピス、母よりも強く愛して
09学校
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質問をする。
「なんだ? おまえ、こわくておかしくなったのか?」
 それを無視してトイレットペーパーをケースごと引き千切ると、両手で縦に押し潰し、片手に収まるようになると、さらに握り潰して行く。
「科学の実験よ、こうやって押し潰して行くと、圧力のエネルギーは熱に変換される」
 メキッ! バキバキッ! バリッ!
 例え「象が踏んでも壊れない」強度のケースは簡単に押しつぶされ、圧壊するイヤな音を目の前の女達に順に聞かせて行く。
 メキメキッ! キューーーーー!
「な、なにしてやがんだっ」
「そして摂氏230℃で酸素に触れると、紙は自然発火する」
 広げた手の上で空気に触れ、白熱して燃え上がる元トイレットペーパー。
「「「「「ひっ!」」」」」
 炎に照らされながら、アキトの前では絶対にしない、悪魔の表情をするラピス。
「さあ! 誰の頭から握り潰してあげましょうか? もっとも、燃えるより先にトマトみたいにグチャグチャに飛び散るでしょうけどねっ!」
「「「「「ぎゃあああああああああ!!」」」」」
 我先に逃げ出して行く子供達、今日もラピスは悪魔より恐ろしかった。

 さらにそれに懲りず、アイちゃんだけなら何とかなるだろうと、またトイレに連れて行く一同。
「てめえ、つけあがってんじゃねえぞ?」
 大勢に囲まれ、もう「うるうる」しているアイちゃん。
「(ニヤリ)へっ、もう泣きがはいってやがるぜ」
「ねえ、みんな火星生まれ?」
 誰かと同じく、人の言う事を一切聞かないょぅじょ。
「は? なにいってやがんだ、ふざけてんのか?」
 粋がる奴とは違い、取り巻き連中はイヤな予感がしていた。
 ピッ、ピッ、ピッ」
「うん、だいじょうぶね(ニッコリ)」
 胸のペンダントでチェックを済ませたアイちゃんは、ある場所をイメージした。
「ふざけてるとしょうちし…」
 その瞬間、周囲の風景は一変していた。
「なんだっ!」
「ここ、どこ?」
「いやあっ!」
 周りには地平線まで続くような砂漠が広がっていた
「ここから30キロほど行くとね、おっきいゆうえんちがあるの、みんなで行ってきて、ほらあれっ!」
 米粒のように小さい建物の尖塔を指差すと、チケットを置いてアイちゃんは消えてしまった。
 そこはユートピアコロニーから250キロほど離れた、火星ネズミーランドらしい。
「「「「「いやああああああっ!」」」」」

「せんせ〜〜!」
 その足で職員室に行き、早速チクるアイちゃん。
「あの子たちが、わたしのチケットとりあげたの」
「何のチケットだ?」
「ネズミーランド、せっかくおねえちゃんにもらったのに、え〜〜ん、え〜〜ん(嘘泣)」
「またあいつらか、どうしてそんな物を学校に持って来たんだ」
 カツ上げを咎めるより先に、
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