08アイちゃん
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1歳相当のママじゃダメなのね? いいわ、ここでお医者さんごっこしましょう。私とイネスさんの「構造」とか「部品の配置」を較べて見てっ!)
「お〜い、ラピス、帰るぞ〜」
「あっ、待ってアキト」
三人はラピスの監視小屋に向かった。
アイちゃんを背負って歩くアキト、自分と同じ大きさの子供でも、火星の重力下なので問題はなかった。
本来、ルナリアンとか火星人は、脊髄を形成できても、1Gの3分の1しか無い火星育ちは、地球に行っても起き上がることすら出来ず、倒れて暮らすはずだが、「ナノマシン」でどうにかなっているので問題無い。
「でも、おばさんどうするかな? いぬやねこ、ひろってきたんじゃないんだから」
「大丈夫よ」
すでに「計画通り!」なので、自信有りげに言うラピス。やがて家に着いてラピス(母)が言ったセリフも。
「了承」((C)秋子さん)
だった。本来、記憶喪失の娘を拾って来た場合「まあ、大きなおでん種」と言うはずだが、アキトが「あんたらは食人族かっ!」とツッコむはずもないので、取り合えず「了承」していた。
やがてラピスの家で目を覚ますアイちゃん。
「お帰りなさい、アイちゃん」
「ママッ? ママなの?」
暗かったのか、記憶をいじられたのか、アイちゃんにはラピス(母)がママと同じように見えていた。
「ごめんなさい、まだママには会わせてあげられないの、貴方もボソンジャンプで、未来から逃げて来たのね」
「え? ぼそんじゃんぷ?」
「貴方には本当の事を教えてあげる、でもこれは秘密よ」
「うん」
別に喋ったからといって、ユリカのように「殺す」わけではないが、変な子だと思われないよう、口止めはしておく。
「おばさんはね、2201年から来たの、アイちゃんの6年後から」
「ええっ?」
「その時11、2歳だったから、本当は叔母さん、アイちゃんと同じぐらいの歳なの」
もう頭が混乱して、何が何やら分からなくなったアイちゃん。
「私はその頃、ある人と一緒にいたの。私はその人を支えて、その人も私を守ってくれた。でも結局その人は消えてしまったのよ。私を過去に送り届けて、そこで力尽きたの。きっとその人や、アイちゃんを助けてくれた人はね、私達を安全な場所に送ろうとしたと思うの。でも力が足りなかったのか、ひとりぼっちにしてしまった」
「そのひと、かみさま?」
「いいえ、そんな強い人じゃなかったわ、優しすぎていつも傷付いて、悲しいはずなのに笑ってくれたの」
「じゃあ、あのおにいちゃん「てんし」だったんだ」
本能的に、自分を送り出したのが、アキトだったと知っているアイちゃん。
「そう、きっとそうだったのね、翼は無くても跳ぶ事はできたから」
目の前の子供に教えられたような気がするラピス(母)、きっと自分も、小さいアキトや
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