07ユリカママ
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有無を言わさず、ベッドの傍に行って叩き起こすラピス。
「起きなさい」
「うにゅう」
ちょっとキャラが被っている、某ゲームのヒロインのようなセリフを言うユリカ。
揺すっても起きないので、無言でグーで殴られ、文字通り叩き起こされる。
「ぎゃっ! な、なに?」
娘の方の悪魔を確認して、また虐められると思い、身を固くしながら起き上がり、逃げる用意をする。
「あなたのママを助けに行くのよ、嫌なら帰る」
そう聞いたユリカは、ラピスに対する恐れよりも、母親を助けたいと思う願望が勝った。
「まって、ほんとうに?」
疑うことを知らないはずのユリカだが、相手が相手だけにどうしても確認してしまう。そして母が病気になったのも、この化け物のせいでは無いかとも思い始めた。
「失礼なことを考えるんじゃない。でもアキトのお願いだから仕方無い、貴方のお母さんを助けてあげる」
ユリカと喋る時は、まるで口を動かすのも面倒、とでも言いたげなラピスだが、アキトの笑顔を想像して耐えた。
「今から行く」
「え? じゃあ、きがえるからまって」
「そのままでいい、病院だからパジャマの方が目立たない」
「うん」
「ジャンプ」
スリッパだけ履かせると、何の予告も無く、いきなりユリカを捕まえジャンプした。
「きゃっ!」
「うるさい」
二人は病室に出現し、監視カメラは静止画像に変った。
「一つだけ約束しなさい」
「なに?」
相手がラピスなので、とても恐ろしかったが、母のために我慢して聞く。
「この病気は現代科学では治らない、これをアキト以外に喋ったら貴方のママは死ぬ、絶対に秘密よ、いいわね」
「うん」
「治った後で喋っても同じ、証拠を消すと病気も再発する、わかった?」
「うん」
了解を取ったところでユリカの母に圧入機を押し当て、ナノマシンを注入してやる。証拠物件の圧入機は太陽に突入させて焼却した。
「さあ、これで明日の朝には治る、今日は帰って寝なさい」
「え? そうなの?」
「ジャンプ」
ユリカは出発した時と同じく、自分の部屋の中に一人で立っていた。そして今起こった出来事が現実だと言う証拠は何も無かった。
「ラピスちゃん?」
僅かに空気が移動する感触が、ラピスがジャンプして帰った跡のように思えた。
「ゆめ? じゃないよね」
テンカワ家
その後、ユリカ菌?の洗浄を受けてから、アキトの部屋にお泊りしていたラピス。
「朝よ、起きて(チュッ)」
もう最近、おはようのキスは当たり前の行事だった。もし「朝のアキト」が大きかったりしたら、その日から始まるかも知れない。
「う〜ん、あと5ふん」
そんな事を言えば、パジャマも脱がされて体中舐め回されるのも、いつもの事だった。
「あっ、だめだよ、ラピス」
もう
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