06アキトに憑依している悪魔
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真っ青になって震えていた。
ラピスが言う通り、その石版だけはカーボン測定でも、何故か2千年前の物で、地球の言葉と異星人の言葉で刻まれていて、関係者からは通称「ロゼッタストーン」と呼ばれていた。
「正確には私の分身達が置いて、重要な部分にヒトが入れないように封印してあります。爆破して入ろうとすれば、自動兵器が動き出して、調査隊は全滅するでしょう、アキトを悲しませないで下さい」
「あ、あなたは一体… 何歳なの?」
恐れながらも、2千年前の出来事を知っている化け物に問い掛けてみる母。
「私は製造されて5年ですが、記憶は他の私達と共有しています。オリジナルの私はアキトの願いを叶えるため、2201年から紀元前に戻って準備をして来ました。そう、2201年、オリジナルの私は未来から来ました」
「…………」
呆然として何も話せないアキトの母。
「そして、今の私は、ずっとアキトの側にいる為、アキトと同じ日に産まれたんです」
「あなたは、何者なの?」
「私達は、アキトを護る者」
アキトの母は、いつか見た受胎告知の夢を思い出していた。
(やっぱり…)
天使だとか、救世主だとか言われても、覚醒時には笑い話にしかならないが、目の前の化物を見ると、あの記憶も間違いやただの夢では無く、現実だと思い始めていた。
「これを見て下さい」
ラピスは何の映像機器も使わず、ある場所を映し出し、二人はその風景の中に入って行った。
「2198年、アキトの結婚式です」
「ええっ」
驚く暇も無く、成長したアキトと新婦が映し出されたが、ベールを取った花嫁の顔は、紛れも無く成長したミスマル・ユリカだった。
「これは、ユリカちゃん、そう、そうだったの」
何やら嬉しそうに結婚式を眺めるアキトの母。
「喜ばないで下さいっ」
強い口調で言われ、始めはラピスが嫉妬しているのかと思ったが、その思いはすぐにかき消された。
「今度は新婚旅行の出発日です」
それを見送る友人達の列に入り、出発を見送っている二人、そして飛び立ったシャトルはすぐに爆発し、粉々になって落ちて行った。
「ああっ! アキトの乗ったシャトルが!」
アキトの母は、余りにリアルな光景を見て、まるでその場にいるような錯覚を覚え、気分が悪くなった。
「大丈夫ですか? ここで二人は死んでいません、誘拐の偽装工作として、他の乗客は全員死亡しましたが」
そう言いながら、手をかざすだけで、過呼吸や貧血が収まり、アキトの母の体調が戻った。
「アキトは死んでないのっ? 大丈夫なのねっ!」
ここでアキトの母も、ラピスがこの事故を防ぐ為に、ユリカからアキトを引き離そうとしているのだと知った。
「無事です、でもここで、ほんの少しの変更で、歴史を変える方法が有ります、わかりますね?」
悪魔のささ
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