05子供ラピス
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ないっ!」
怒髪天を突く、それは今の「スーパーサ*ヤ人」のような、ラピスを現す言葉であった。
「な、なんだよ、こんなものっ、かえしてやらー!」
子供はラピスの怒りに怯えながらも、アキトのゲキガンガー人形を地面に叩き付けた。
「ああっ! おれのゲキガンガー!」
アキト自身は、弾丸、ビーム、相転移砲、どのような天変地異からも守られていたが、おもちゃまでは守られていなかった。
(アキト所蔵品ナンバー2514、ゲキガンガー人形修復モード)
物理法則でも捻じ曲げてアキトの願いを叶えるのがラピスとオモイカネたちの仕事なので、「アキト君のお願い」が発動されると惑星でも修理される。
「おのれっ! 一度ならず二度までもっ!」
ラピスはゲートを開いたが、光る輪は一瞬にして漆黒のゲートに変わって行った。
「太陽の中で骨まで焼き尽くされるがいいっ!!」
太陽をイメージして、その中に子供達を叩き込もうとするラピス。
「やめろっ! だめだっ!」
そこで、その気配を察したアキトが、後からラピスを抱き締めた。
「アキトッ、こんな所で(ポッ)」
(でもこんな奴らまでかばうなんて、やっぱりアキトは優しいっ(はーと))
その瞬間、怒りが嘘のように消え失せ、ラピスのゲートに光が戻った。
「とにかく、どこかに消えなさいっ」
ボソンの輝きを放ち、消えていく火星の子供達。
「あれ? あいつら、どこにいったんだ?」
後からアキトに抱かれたまま腕を持ち、体を預けているラピス。
「うん、遠いコロニーで迷子になって、今ごろ泣いてるわ」
子供のアキトにはよく分からなかったが、ラピスの表情から、そんな酷い状況では無いと思えた。
彼らはユートピアコロニーから見ると、火星の裏側のコロニーにジャンプさせられたが、もちろんアキト達と同じく、遺跡に遺伝情報を書き換えられているので死ぬ事は無い。
もしかすると高速道路の真ん中に出て、肉の塊になっているかも知れないが…
「あれ、どうやったんだ?」
「ボソンジャンプって言うの、今度アキトも練習しよ、これならどこにでもすぐに行けるわ…… もちろん、ユリカさんも一緒に」
「あ、あっ、ああっ!」
二人の側で座り込んで、言葉も出ない少女。不幸にもその光景を目撃してしまった少女ミスマル・ユリカ(5歳)。
「見た… わね?(ニヤリ)」
目だけ笑っていない、氷のような微笑でユリカを見つめる。
ここでユリカも始末してしまえば話は早いが、アキトの願いとは懸け離れてしまう。ユリカを冥王星に放り込んで、氷漬けにするのは止めておいた。
「あう〜、あううう!」
涙と鼻水を垂らしながら、健気にも保身のために首を横に振っているユリカ。しかしお尻のあたりには、「おもらし」した水溜りが広がって行った。
「そう、偉い
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