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ラピス、母よりも強く愛して
05子供ラピス
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大で、ここに出来たブラックホールが、木星の衛星を全て飲み込み、やがて太陽系全体をも……」
「こちら火星極冠遺跡、全ての終わりの時に合わせ、こちらも自壊する、時空振動が過去現在に及び、銀河系から一つの腕が消滅するでしょう」
 その他、各遺跡に駐在する大勢のラピスが連絡を取り合い、アキトに見捨てられる前に、自爆のタイミングを計っていた。
『『『『『『『『『待って下さい!!(大汗)』』』』』』』』』
 子供のアキトの発言一つで、世界が破滅するか救われるかが決定される。アキトが外で遊ぶようになってからは、月に2、3度破滅の危機が訪れていた。

 その間も、監視小屋では3台のオモイカネ型コンピュータが演算を進めていた、ちなみに一つはアキトの手足となっていたラピスの人格、もう一つは女としてのラピス、最後に母としてのラピスの人格を移植した、通称マギシステ… ゲフッゲフッ!
「早く結論を!」
 現在のアキトの脳をシュミレートし、次の行動を予測するマ*システム、タイミングが遅れれば、どこかのラピスが最悪の結果を予測して、自爆してしまう。
『アキトはこの後、「だめだ、お前なんかにラピスは渡さない」と言う』
 まずまずの回答だったが、ラピス達にとっては、幸せの絶頂にイケる程の言葉だった。
「本当なの? 信じて、信じていいのねっ!」
「待って、自爆はいつでも出来る、アキトの言葉を待ってからでも遅くない」
「マスドライバー停止、アキト、アキトはきっと私を見捨てない」
「…………(祈)」
 何とか思い直し、自爆を待っているラピス達、ここまで僅か0.000001秒程の出来事だったが、人類史上最大の危機は回避されようとしていた。

「だめだ、おまえなんかにラピスはわたさない!」
 その一言で世界は救われ、ラピス達の心は幸せに包まれた。
「アキトッ! 信じてたっ、信じてたわっ!」
「自爆コード解除、全てをアキトに託します、全ての命はアキトの為にあるのだから」
「嬉しい、私、アキトと結婚するっ!」
「うっ! ハー、ハー、ハー(*ッちゃったらしい)」
 約数名、勘違いしているラピスもいたが、とにかく銀河系にさえ影響を及ぼす破滅は免れた。

「なにをー! アキトのくせにっ!」
 体格差が2倍近い子供の、容赦の無いパンチがアキトに向かって放たれた、しかしその拳は、アキトに近付くごとに減速し、触れる事はなかった。
「うわっ! おばけだ! きもちわりぃー!」
 アキトに高速で接近する物は、全て遮断されるよう設定されていたが、その言葉を聞いた途端、ラピス(5歳)の中で何かが音を立てて切れた。
「愚か者め! アキトの人形を返せ! 私の気を引こうとするのなら、アキトと仲良くすれば良い物を! その上アキトを殴ろうとして、化け物呼ばわりするなど! もう許さ
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