04アキト生誕
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っ! 必ず、必ずアキトを幸せにして見せるっ! あはっ! グスっ、あはははははははははっ!」
今まで抱え続けた緊張が一気にほぐれ、ラピス達はお腹を抱えて、いつまでも泣き続けた。
数ヶ月後
火星の産院で、診断を受けるため来ていたアキトの母。
「こちらへどうぞ、荷物をどけますから」
「あっ、すいません、貴方はお隣の」
「ええ、ラピス… ラピス・ラズリです」
アキトの母に席を譲ったのは、ラピス(母)外見年齢約25歳だった。
「あの、何ヶ月ですか?」
「はい、3ヶ月です」
「そうですか、この子と同じですね」
他のアキトのように、オリジナルも厳重な監視下に置かれ、当然、産婦人科医も看護婦も、オモイカネシリーズに操作されたアンドロイドだった。
病院一棟丸ごとアキトのためだけに存在している。
「男の子ですか?」
「ええ」
「うちは女の子なんです、仲良くなるといいですね」
自分のお腹の中にいるのもアキトだったが、こちらは厳重に保管され、別のアキトになる。
そして新しく生産されるラピス29号が、ラピス(母)の子供としてアキトの監視と警護に当たる計画になっていた。
それから7ヶ月後、ついにオリジナルのテンカワ・アキトが誕生した。
「私があなたのママよ、あなたの名前はアキト、天河明人。貴方はどんな子になるのかしら?」
同日、ラピス(母)もアキトの分身を出産し、形式上ラピス(娘)を出産したことになっていた。
今後もテンカワ家に侵入し、ずっとアキトと過ごし守り続けるには、同じ子供でいるのが一番簡単だった。
さらに歴史通りなら、ユリカはアキトの2年前に産まれていたはずだが、今回は「年上はユリカやイネスさんで懲りてるから、同じか年下がいいな」と言う要望により、受精卵のまま保存され、アキトと同時期に誕生していた。
これで「2年も遺跡と融合してたからアキトと同い歳、ぶいっ!」などと言う戯言も通用しない。
数年経過
それから数年、アキトとラピスは、どこかのタカラヅカ歌劇のフランス人のように、カ〜ストルとポ〜ルックスのように育った。
「ア〜キ〜ト〜!あ〜そ〜ぼっ!」
今日もアキトの家の前に、ご近所のユリカちゃんが、お誘いに来ていた。
「あら、いらっしゃい、もうラピスちゃん来てるわよ、上がって」
アキトの母に言われるまま、子供部屋に上がるユリカ、しかしユリカの天敵は、すでにテンカワ家に侵入していた。
「アキト、ユリカちゃんが来たわよ」
一階からアキトに声を掛けるアキトの母。
「アキト〜〜!!」
ユリカがドアを開けると、そこにはアキトの膝の上に座り、ご丁寧にユリカに目線を向けながら、アキトにキスしているラピスの姿があった。何となく「ズキュ〜〜ン」とか擬音が聞こえてきそうな表情で。
「な
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