04アキト生誕
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スもフラッシュバックを起こし、アキトを失う瞬間を思い出して、泣き叫んでいた。
『ですから…、それはほんの一例です、成人からのクローン作成では、受精卵にテンカワ・アキトの細胞核を埋め込み、増やして行きますが』
だがラピス達は納得せず、口々に不満を漏らした。
「違う! そんなのアキトじゃない!」
「何て事を! どこの誰とも知れない女の卵にアキトを入れるなんて! よくもそんな卑猥な事を言えたわね!」
罵られるオモイカネ達を助けるため、ユーチャリスは一つの提案をした。
『では、貴女とテンカワ・アキトの受精卵ならどうでしょうか?』
その一言で、それまで騒いでいたラピス達は一斉に静まり、机に「の」の字を書きながらこう言った。
「い、いきなり何を言うの!(真っ赤)アキトが私の「赤ちゃん」になるだなんて」
「私とアキトが10ヶ月もお腹の中で繋がって、自然分娩までして、母乳を吸わせるなんて、そ、そんな(真っ赤)」
何か、やたらリアルな妄想をするラピスもいた。
「赤ちゃんのアキトをお風呂に入れて、あ〜んな所まで洗ったり、オムツを替えて今日の体調を調べるために「アレ」を口に入れて味を確かめて、チーズの味だと言ったり、ヒィイイイイイッ!!」
このラピスは壊れたらしい。
「でもそれって、卵子が私のだから、アキトと私の赤ちゃんになるんじゃないの?(ポッ) でも私の赤ちゃんはどうなるの? だめっ! アキトの赤ちゃんを殺すなんてだめぇっ!」
予想外の話に混乱しているラピス。
「そ、それならアキトにも相談しないと、ねえ」
「だったら、やっぱりアキトに「直接注射」してもらわないと、キャッ!」
自分で言っておいて、恥ずかしさで顔を隠すラピス。妄想が膨らみ、大人のラピスは両足をもぞもぞさせ、先程貧血で倒れたはずのラピスも鼻血を出していた。
「わ、私ちょっとトイレ」
「「「「「「「「「「「「「「私も」」」」」」」」」」」」」」
以後、会議は一時間以上中断され、トイレどころかシャワーまで浴びてスッキリしたラピス達が揃うと、頭を冷やしたのか、血の気を「ヌイて来た」のか、少し冷静になっていた。
『それでは、受精卵を分子レベルまでコピーする、と言う結論でよろしいですか?』
ユーチャリスの言葉を、上の空で聞いているラピス達。
「え? ええ、そうしましょう」
『本当にそれでよろしいのですか?人類には「魂」と言う概念が存在し、コピーされたテンカワ・アキトは、その事実を知れば、一生苦しみ続ける事になります』
ユーチャリスの言葉で少し考えを改めるラピス達。
『影を背負った暗黒の王子になるアキトは、それで満足するかも知れませんが、普通に生きて行くアキトは、何分の一かでも、本当の父親と母親から命と魂を分け与えられる事を望むでしょう』
会議の結果、
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