03月都市
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ルされた。
脱出船付近
その頃、宇宙船を探索に来た守備隊や、避難して来た市民は驚きの声を上げていた、地下にあったのは「船」とは名ばかりで、地上の都市をも上回る、巨大な空間が広がっていた。
「探索隊より地上へ、映像を送る、3名では探索できない、隣のエレベータから降りた者は、2キロ先に出た、繰り返す、3名では探索不能」
しばらくすると、船の奥から新しい住民を迎えるために、見知った顔が現れた。
「父さん、母さん…」
「嘘だ、お前はあの時死んだはずだっ」
「パパッ、パパー!」
あらゆる場所で、死んだはずの父親、夫、爆撃で行方不明になっていた家族との再会が行われていた。
「「「「「ようこそ、箱舟へ」」」」」
全てはアキトの願い通り、月の住民や地球人の兵士でさえ、誰一人死者を出さずに回収されていた。
数週間後
「敵襲―!!」
最前線の都市では、空襲警報が鳴り響き、地球側の月政府の攻撃が行われていた。
「安心して下さい、この宇宙船は、この程度の爆撃では問題ありません」
各家庭のモニターにラピスが現れ、市民に語りかける。
「しかし2週間後、この船を破壊するため、彼らの放った小惑星が落ちてきます、私とてそれを防ぐ術はありません(嘘)、一刻も早く退避の準備を進めて下さい」
「2週間だって?」
ラピスの言葉を聞き、地下の宇宙船で動揺が広がっていた。
「ああっ女神様、私共をお救い下さい!」
老婆にも祈られ、すでに女神のように扱われているラピス、きっと褐色の肌の姉や、メカ好きの妹がいるに違いない。
「はい、必ず皆さんを安全な場所にお連れします」
以前の歴史では、ここにいる者は、爆撃でエアドームを破壊された後、市街戦で全て死んでいるので、全員木星に連れ去っても問題は無かった。
「はあ、ありがたや、ありがたや」
別に老婆に感謝されようが憎まれようが、どうでも良かったが、この「ゴミ」を一つでも多く拾って来るだけで、アキトに誉められると思うと、ラピスの心は幸せに包まれた。
(アキト、これでいいの?これでいいのよね)
ユーチャリス内
『本日の爆撃で、2つの都市が壊滅し、住民の30パーセントが死亡しました、遺体はコピーした物を使用し、回収は完了しています』
「そうか、それでいつもの略奪は?」
ユーチャリスは、戦闘指揮官のラピス(赤)に報告をためらい、嘘をついた。
『女性や子供は、宇宙船に待避しています、占領された都市では、兵士が治安を守り問題はありません…』
「それでは歴史通りにならない、私に嘘をつく必要は無い」
そう言われ、諦めて現状を報告するユーチャリス。
『はい。歴史通り、抵抗した男性は路上で射殺されたか、エアロックから放り出されました、婦人達や娘達は夫や父親の死体の側で…』
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