02生産プラント
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(コピー元のオリジナルが壊れている)
ユーチャリスは心の中で泣いた。涙の流せない電脳が、冷酒をあおって、おでん屋の屋台で管を巻いて、塩を撒いて追い返されるまで泣いた。
その後プラントは3人のラピス?に解析され、全てがその支配下に入った。
これだけの施設を使わせてもらうので、異星人からの監視機能は残されていたが、ユーチャリスは、こんな三人を監視されるのがとても恥ずかしかった。
(もしかすると、向こうも同じなのかも知れない)
思い当たる節は多々あったので、ユーチャリスは次第に「イヤ」な考えになっていった。
その後、まだ眠るには早いので、全ての生産が順調に進むか、試しに10年後に移動してみる事にしたラピス。
「私は10年後にジャンプする、それまでお願い」
ウィンドウ越しに、プラントにいる自分達?のコピーに話し掛けるラピス。
「その前に、ご主人様も復活させるですぅー」
ラピス01はそう言ったが、アキトを物のように作るのは躊躇された。
「そんな、アキトを作るだなんて」
だが残されるラピス達の士気に関わる問題なので、渋々認めることになった。
「頭の中は擬似人格だけよ」
ラピス一人にアキト一人が「あてがわれる」事になり、数日後、大人、少年、子供のアキトが姿を現した。
「ご主人様ーー!」
ラピス01は少年のナカヒト君、もといアキトに抱き付く。
「アキト……」
『待って下さい!そちらはまだ危険です、病原菌のチェックも完全では…』
止める暇も無く、プラント側にジャンプしてしまうラピス。ユーチャリスも口にはしなかったが、病原菌よりも、3人のコピー?ラピスの方が、遥かに危険度が高かった。
「会いたかった、会いたかったのっ!」
頭の中では本物とは違うと知っていて、離れようとしたが、体はそうさせてくれなかった。
「ラピス、何が悲しい?」
アキトの生の声を聞き、温もりや匂いを感じただけで、ラピスは駄目になってしまった。
「アキトーーッ!」
以後、ラピス02、03の好意により、大人のアキトはラピスに同行する事になった。
10年後。
ボソンアウトしたユーチャリスは我が目を疑った、そこには都市では無く、ディ*ニーランドも真っ青な、巨大なテーマパークが建設されていた。
(あの、あほんだらがっ! これやったらボイジャー程度でも、すぐ見つかるやんけっ!(怒))
ユーチャリスは、自分が関西弁で思考し、以前よりさらに壊れている事に気付いていなかった。
『建設は失敗です… 直ちに基本設計をやり直しましょうっ』
しかしラピスの答えは、いつも通りだった。
「問題無い、シナリオ通りだ」
『そ、それではリンクを再開します、彼らから通信が入っています』
「「「ラピラピ・ランドへようこそ!」」」
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