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ラピス、母よりも強く愛して
02生産プラント
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フロントでスイカを栽培して、若者に説教を垂れる北辰、さらにはジャムおじさんの飼い犬「チーズ」に成り果てた北辰達がいた。
「ははははははっ! 苦しめっ、もっと苦しめっ! それでもまだアキトの苦しみには足りない!」
 人とは思えない恐ろしい表情をしているラピス、ユーチャリスはこっちのシリアスなラピスの方が好きだったが、北辰達のどこが苦しいのかは理解できなかった。

 その後、数日が経過すると、ラピス自身のコピーが準備された。
「ユーチャリス、彼は信用できるの? まだ私の命を預けられるとは思えない」
 コピーされるラピスは、所詮異星人が作り上げた物。計画の途中で介入され、木偶と成り果てる可能性もある。
 そして自分以上の能力を持たせれば、自分自身が始末される恐れがあった。
『では、私にネルガルからの指令が残っていないと仮定して頂けるなら、私にお任せ下さい、増設したプラントを使って私が制御します』
 そしてユーチャリスに生産設備が接続され、ラピスの指示の元、大人と少女と子供のラピスが再現された。

(第一回起動実験)
 起動した大人のラピス01は、ピンク色の髪をポニーテールにして、何故かメイドの服を着ていた。
「ご主人様は一人ですぅ〜!」
 ラピス01は反逆できないよう、エンゼルハート改か、イエッサーが付いているらしい。
「わたしシンガー、サキさん女優、ようこのようは太陽の陽!」
 そして少女のラピス02は、ピンクの髪で「輪」を二つ作り、ムササビの「ムー」が持って来たマイクを握っていた。
 天使の心を持つラピス02も、良心回路か、乙女回路でも付いているらしい。
 最後のラピス03は、少し濃いピンクの髪で、末広がりの髪型をしていた。
「ピ*ルマ・ピ*ルマ・プリ*ンパ、パ*レホ・*パレホ・ドリミ*パ、アダルトタッチでプロのオペレーターになれー!」
 ラピス03には、変身能力があるらしく、胸のペンダントから魔法のステッキを取り出すと、子供から大人に変身した。
「サンクス、フレンズ」
 犬、猿、雉?のお供を連れたラピス03は、様々なプロフェッショナルに変身できる能力があり、後に起動兵器「グルメポッポ」を与えられ、多目的な任務に優れていた。

『こ、これは…?』
 それぞれのラピスは早速壊れていたが、本物を抹殺して自分が成り代わろう、などとは思っていないらしい。
『どこかで問題が発生したようです、すぐに再調整しますので、しばらくお待ち下さい』
 しかし、それを見ていたラピスはこう言った。
「問題無い、シナリオ通りだ」
 アキトのバイザーを光らせ、机にひじを付き、手袋を付けた手を口の前で組んでいるラピス、それはまるで、どこかの司令官のポーズだった。
(まさか……?)
 ユーチャリスの導き出した答えは、これしか無かった
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