01過去への跳躍
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しばらくベッドに横たわりながら、ラピスは一つの指示を出した。
「プログラム、AKITO、スタート」
ラピスの前に一枚のウィンドウが開かれた。
「どうした? ラピス」
その中には、いつもの無表情なアキトが映し出された。それはユーチャリスの中に隠していた、アキトの疑似人格プログラムだった。
「アキトは過去に戻れたら何をしたい?」
この疑似人格には隠し事は出来ない。ラピスの質問は命令にも等しかった。
「火星の後継者にユリカをさらわせたりしない。俺にも、他の誰にもこんな事はさせない」
「そう」
「ネルガルにも父さんと母さんを殺させない。木連にも火星の人達を殺させない、それにあいつらだって、月から追われなければ…」
ラピスは飽きる事無く、いつまでもアキトの言葉を聞き続けた。
「アキトは子供の頃、何がしたかったの?」
次には、あまり見慣れない、子供のアキトが無邪気に答えていた。
「そりゃあ、やっぱり、ゲキガンガーに乗って、悪い奴らをやっつけるんだっ」
「うん、うん」
優しい目で子供のアキトを見つめるラピス。自分より幼い頃のアキトは、ラピスやルリに比べると「バカ」とか「ガキ」と言う言葉が似合ったが、そんな感情は湧いて来なかった。
子供の頃の話が終わると、少年のアキトが表示されていた。
「父さんと母さんが死んでから、俺は親戚中たらい回しにされて、施設に入れられた。 何週間も何も話せなくて、生きる気力を無くしてたけど、そんな時、あの料理を食べた。とても暖かくって、美味しかった。それから俺は、どうすればあんな料理ができるのか、それが知りたくなった」
「そうだったの…」
その次はナデシコ時代のアキトが表示されていた。
「そうだな? どうしてもって聞かれると、あの頃はユリカなんかより、メグミちゃんや、リョーコちゃんの方が話しやすかったかな」
「そう(怒)」
明らかに機嫌が悪くなるラピス。料理の話やホウメイさん、助けられなかったガイや、アイちゃんの話題の後。 無理に女の質問をしたのは自分だったが、次々と知らない女の名前が出てくるのは、とても気分が悪かった。
「それからジャンプで年上になってたけど、アイちゃんも綺麗になってたし… それを言ったらルリちゃんやラピスだって、大きくなったら、すごい美人になるんだろうな」
そう言われ、今までに無い衝撃を受けるラピス。
「!! もし、私やルリが大きくなって、美人になったら… どうするの?」
体を起こし、熱い吐息を吐きながら、アキトの答えを待つ。
「そりゃあ俺だって男だから… ((字幕)青年男子が渇望する性衝動、女性との性交渉) それに… 結婚できたら嬉しいな」
そこで今までとは違う、熱い涙を流し始め、混乱して、聞こえるはずも無い相手に、こう言ってしまう。
「
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