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儚き想い、されど永遠の想い
1部分:前奏曲その一
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められた席に座る。紳士も僕に合わせて向かい側の席に座る。程なくして白いエプロンにカチューシャ、黒い服とスカートの若いメイドの人が来てだ。僕達に尋ねてきた。
「何にされますか?」
 まずは僕に尋ねてきた。お客を立ててらしい。
「そうですね。それでは」
「はい」
「紅茶を御願いします」
 僕はそれだと答えた。
「葉はお任せします。ロイヤルミルクティーを」
「ロイヤルですね」
「はい、それを御願いします」
 ドイツ調の洋館でイギリスは少しないかな、と思った。だがそれでもだ。今はそのロイヤルミルクティーを飲みたい気持ちだった。だからそれにした。
 メイドの娘はそれを聞いてだ。僕に笑顔で述べてくれた。
「畏まりました、それでは」
「はい、それでは」
 僕の話はこれで終わった。そしてだった。 
 彼女はだ。次は紳士に顔を向けてだ。まずはこう呼んだのだった。
「では旦那様」
「はい」
 紳士は使用人であろう彼女にもだ。礼儀正しく返していた。それが僕にはこの紳士は本当の意味で礼儀を知る人物だと思わせるのだった。
「僕も同じものを」
「ロイヤルミルクティーをですね」
「御願いします」
「畏まりました」
 彼女は紳士にも笑顔で応えてだ。そうしてだった。
 一礼してから退室して。すぐにそのロイヤルミルクティーを持って来てくれた。僕達はそれを飲みながらだ。あらためて話に入った。
「そのお話ですが」
「何時頃のお話ですか?」
 その話のことは僕はまだ何も聞いていなかった。僕があるパーティーの場で今の恋人のことをいささか自慢げに話しているとだ。この紳士が来てだ。僕に挨拶してきたのだ。

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