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転生とらぶる
ペルソナ3
1932話
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に戦闘不能になっても、今の状況であれば特に問題はなかった。
 正直なところ、ここがエントランスでよかった。
 もしタルタロスの通路の部分とかであれば……もしくは前のイレギュラーシャドウのようにモノレールの車両の中で戦ったりといった事であれば、人数が多いのが災いして、身動きを取れなくなっていただろう。
 だが、このエントランスは広い。
 例え5人でも6人でも……それこそ10人で戦っても、問題なく戦えるだけの空間的な余裕があった。
 その広さを十分に使って、ゆかり達は戦いを繰り広げていた。

「さて、と」

 向こうの戦いは有利に進んでいるが、だからといってこっちもいつまでもゆっくりしている訳にはいかない。
 そろそろ……倒させて貰うか。
 ゲイ・ボルグの柄を改め握り直し、口を開く。

「直撃」

 そう、相手の防御能力のことごとくを無効化するという効果を持つ、精神コマンド。
 ……一応生身にも効果があるというのは、今までの経験から理解している。
 だが、果たして今回もそれでどうにかなるのか。
 一瞬そんな風に思うが、すぐに大丈夫だろうという楽観的な……それでいて、絶対的な確信を感じる。
 その確信に動かされるように、瞬動を使って一気にイレギュラーシャドウとの距離を詰めていく。
 イレギュラーシャドウの感情の類は俺にも分からないが、恐らくもし人間と同じような感情があるのであれば、笑っていてもおかしくはない。
 さっきと同様の、槍による攻撃だと。
 だが……瞬時に相手の間合いの内側に入り込んだ俺が放った槍は……次の瞬間、シャドウの胴体をあっさりと貫く。
 それこそ、さっきまで攻撃を無効化していたのはなんだったのかと、そう言いたくなるくらいの勢いで。
 やっぱり、直撃の効果はあったか。

「お前達、どけぇっ!」

 大剣を手にしている順平がもう1匹のイレギュラーシャドウの攻撃を防いでいるのを見ながら、叫ぶ。
 それを見て、順平は危険を感じたのか、後ろに飛び退いた。
 それを追撃しようとしたイレギュラーシャドウに、ゆかりの矢と有里の魔法が当たる。
 効果はなくても、相手の機先を制するには十分で……

「直撃。……食らえ!」

 再度直撃を使い、投擲されたゲイ・ボルグは……イレギュラーシャドウを1撃で倒すのだった。
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