第12話
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ろしくな。」
そしてクレア少佐がランドロスに視線を向けたその時、ランドロスが先にクレア少佐に声をかけた。
「え、ええ。……………えっと、リィンさん、ランドルフ准佐。分校の教官陣の件を知ってから聞く機会ができたら聞こうと思っていたのですが………こちらのランドロス教官もクロスベル出身の方……なのですよね?」
「へ………」
「おい……まさかとは思うが、気づいていないのか?」
困惑の表情をしているクレア少佐の質問にリィンが呆けている中、ランディは信じられない表情でクレア少佐に確認した。
「………?何にでしょうか。」
「えっと……”仮面の紳士”―――ランドロス教官の正体です。」
「勿論正体は知りたいですがその………こちらの変質者―――失礼。随分と変わった趣味の仮面を被った方が一体何者なのでしょうか?」
「変質者って、テメ――――」
「そこの仮面のオッサンはギュランドロス皇帝だぞ!?アンタがまだクロスベルが自治州だった時、”合同演習”の件で脅すつもりが逆に脅されて”鉄血宰相”に対する”宣戦布告”までした”六銃士”の”紅き暴君”ギュランドロス・ヴァスガンだ!」
リィンの指摘に対して戸惑いの表情で答えた後必死に遠回しな言葉を探しながら答えたクレア少佐の問いかけを聞いて驚いたランドロスが声を上げかけたその時、ランディが疲れた表情でランドロスの正体を答えた。
「ギュラン、ドロス皇帝………こちらの、変わった趣味の方が……?――――っぷ、クスクスクス、レクターさんから聞いていた通り、ランドルフ准佐はムードメーカーとしてその場の雰囲気を明るくする事にとても長けているのですね。そもそも、クロスベルの皇帝陛下の一人がこんな場所にいるなんてありえませんよ。」
「だったよなぁ……はっはっは………」
ランディの答えを聞いて呆けてランドロスを見つめたクレア少佐だったがすぐに可笑しそうに笑って答え、ランドロスもクレア少佐に続くように笑っていた。
(…………おい、マジで気づいていないみたいだぞ?)
(……そうみたいだな。正直、まさかあれで本当に騙せる人がいるなんて想像もしていなかったな……それも”鉄血の子供達”の一人を。)
(そ、そう言えば以前お父様の話でエルミナ様も今回の件同様”仮面の紳士”として正体を隠していたギュランドロス陛下の正体に気づかなかった話を聞いた事がありますわ……)
(エルミナ皇妃は、雰囲気や性格からして相当真面目な女性だったわよね?エルミナ皇妃という”前例”を考えると真面目過ぎる人程、真面目に考え過ぎてギュランドロス皇帝のような”あまりにもわかりやすすぎる変装”に騙されるかもしれないわね……)
(あっはははは!こりゃ、傑作だ!まさかあんな
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