EX回:第42話(改2)<それぞれの事情>
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が。
だが、ちょっと意地悪をしてみたくなった。
「そうだ日向。これは公的な予定だ」
わざと真面目な顔をして答えた。
なぜか固まる日向。
「なんだ? その硬直は。不都合でもあるのか?」
「いえ、その……」
彼女は赤くなっていた。目まぐるしいな。
「水着は、そのぉ……」
私は内心苦笑した。さすがに生真面目な彼女を、これ以上からかうのは可哀想だ。
「ごめん日向」
私は手を左右に振った。
「冗談だよ。海水浴は、あくまでも自由参加。演習後は各自、自由時間にする」
すると硬直していた彼女は急に安堵した表情に変わった。
だが直ぐに膨れっ面になった。
「……もう!」
(あ、日向が怒った)
珍しい。
「司令のバカ!」
とても静かな声で怒られた。それでも真っ赤になって両手で口を覆っている。そんな彼女の「変化」にクラクラ来た。
(まずいぞ!)
正直、自分の感情の揺れに私も焦った。
だが日向は続けた。
「司令、あの……その時間、何かご予定は?」
「いや、別に……」
ちょっと間を置いて私は続けた。
「多分、その頃には、もう司令ではないから」
私は正面を向き直って腕を組むと座席に深く腰かけた。
「……!」
変な殺気を感じて振り返ると驚愕の表情を浮かべた日向が座席から立ち上がっていた。
(あれ? まずかった?)
……でも隠したところで直ぐに分かる事だ。
しかし彼女の反応を見た他の艦娘たちも急にざわついている。
「司令? それは、どういうことですか?」
何かを食べていた赤城さんが聞いてくる。
「おい、口の周り……何か付いてるって」
私が指摘しても彼女は真顔のままだった。思わずため息を吐いた。
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