第98話 閉ざされた世界、開かれた蓋
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、かなり暗い。だが、机を照らす電灯や何かしらの電気器具の光は出ていたため、あながち真っ暗というわけでもなかった。
「……」
普通なら、ここで所長さんが戻るまで待つべきなんだろうけど……どういうわけか、俺はそのまま部屋の奥へと吸い込まれるかのように、足を前へ運んでいた。
――ここにある、という気がしてしまったからだ。四郷姉妹を取り巻いていた、謎の全てが。
まず目についたのは、様々な書類のようなものが散乱している机。どのプリントやノートにも、何やら小難しい文章がびっしりと書き込まれており、中には人型の解剖図みたいなものまである。
机の上に取り付けられていた小さな電灯の光を頼りに、俺はそうした書類らしきものを次々と拾い上げ、流し読みを試みた。
――怖いもの見たさなのだろうか。「恐怖」と「好奇心」が入り混じったかのような感情に揺さぶられた俺の動悸と行動は、いくら制御しようと理性に訴えても、留まる気配がない。
パラパラと何枚もの書類をめくり、気になる文章だけに目を留めていく。ほんの数秒間に過ぎない筈の時間の中で、何時間も疑問に思い続けていた「世界」を、俺は垣間見ているのだ。
「戦闘データ」、「四肢断裂」、「死傷者七千」、「国際問題」、「改造被験体第二号」……たった十秒かそこらの間に、俺は何を見てしまったのだろう。どの単語にも繋がりがあるようには思えず、しかしこうして一つの部屋の中に纏められている以上、必ず何かしらの関連はあるわけで……。
「……ッ!?」
その時、手に取ってみた中での最後の一枚に、俺は思わず目を奪われてしまう。なんだ……この他とは違う大きさのプリント。――いや、これは……設計図、なのか?
無意識のうちに息を呑み、それとほぼ同時に俺はその紙を、机の上に大きく広げる。
そこに描かれていたのは……人型の、何かだった。
「な、なんだ……これ?」
他の書類とは明らかに違う。さっき見た人型の解剖図みたいなのとも、まるで違う作り込みだ。どうやら機械の身体の設計図らしいが……配線の一本一本まで、やたら詳しく書き込まれている。
しかも等身大の「新人類の身体」とは、サイズが余りにも違い過ぎていた。
――「全長十メートル」なんて書いてるけど……正気なのか!?
具体的にどういうモノを作り出すための書類なのかはわからない。けど……なんなんだろう。とてつもなく……ヤバいものを見ているような、そんな気がしてならない。
ふと、その設計図の見出し部分に目が移る。
「新人類の巨鎧体」と書かれたその文字を目の当たりにした瞬間、俺は本能的にその設計図を畳むと、机から数歩離れた。
……ダメだ。なんでかわからないけど、これ以上見ていたら、気が変
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