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フルメタル・アクションヒーローズ
第89話 四郷鮎子の隣にて
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「りゅ〜う〜た〜く〜ん〜!?」
「龍太様、例え美女が彩る絶景の中であろうとも、品位を失ってはいけませんのよ!」
「あんたにだけは言われたくないわっ!? ……とにかく龍太っ! お、女の子にこれ以上恥かかすんは許さんけんなっ!」

 容赦なくぶちのめされた今でも、彼女達の憤りは収まらないらしい。恥じらい。怒り。そういった様々な感情を全て、首から上に詰め込んだかのように、全員が茹蛸のような顔になっていた。

 だが、当の俺は申し訳なさや不運さに半ば自棄になりかかっていたせいか、ケツを突き出したマヌケな格好から脱する気になれずにいた。
 ……つまり、「もう好きにしてくれ」。ということだ。

「ぐふっ……ふふふ。生涯に悔いはないか? ワガハイにはもはやないぞ、戦友(とも)よ……いや、マイヒーロー『救済の超巨乳』!」
「俺にはありまくりだよ……つーか、その挟まれたくなるような名前はやめてくれ。家に置いてきたマイライフが恋しくなるから」

 くそっ……救芽井にケータイチェックされる危険から逃れるために、画像フォルダからエロゲのキャプチャを一掃したのは失敗だったか……!

 ……ん? なんかまた所長さんがこっちをガン見してるような……?

「…………」

 いや、こっちだけを見ているわけではない。四郷と俺達を、交互に目配せしてるみたいだ。
 救芽井や久水のコトがあるし、自分の妹が俺にちょっかい出されないか心配してるんだろうか? ……まぁ、ならいいさ。多少誤解はある気もするけど、それだけ妹を大事にしてくれてるというなら、そのうち「新人類の身体」から人間に戻してくれる期待も出来そう――

「みんなぁー! ビーチバレーでもしない!? あ、一煉寺君と鮎子は休んでていいわよ!」

 ――って、うえぇえぇえ!?
 何を言い出してんのあの人! 何をお望みでその組み合わせッ!?

「い、今はそれどころじゃないんですっ! 龍太君とはまだ話が――」
「景品は一煉寺君の隠し撮りシャワー画像!」
「行くわよみんな! 全力で勝つッ!」

 ちょ、おい、待てクラァァァァッ!?
 なんだよ俺の隠し撮りって! シャワー室に何仕掛けてんの!?
 そして茂さんは何しれっと女性陣の「おぉー!」に交じって奇声上げてんの! あんた俺の隠し撮り写真で何する気だァァァァッ!

「ふ、ふざけやがって! これ以上ややこしい事態の巻き添え食らってたま――え?」
「……お姉ちゃん、休めって言ってた。だから、一煉寺さんは行っちゃダメ……」

 ――と、鼻先まで真っ赤にしてビーチバレー阻止に乗り出そうとした俺だったが、寸でのところで止められてしまった。

 海パンの裾を掴む、機械仕掛けの小さな手。その色は死んでしまった人間のように生気がなく、敢えて悪い
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