第88話 ドラッヘンパイヤー現る
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全て解けた。自分が助かるためとはいえ、彼女達にはちょっと悪いことしたな……ん?
「…………」
……どうやら、俺がこのまま砂浜にドボンして終わり、とは行かないらしい。このままだと、四郷がくつろいでるパラソルに突っ込んでしまう!
「おい、早く逃げ――」
「……そんなシチュエーションで言われても、シュールなだけ……」
しかし、彼女は他人事のように、読んでいる本から片時も目を離していない。空中にいる俺からも見えるくらいの角度にいる彼女は、近くでケツを突き出す格好で撃沈している茂さんを尻目に、読書に集中していた。
――だが、突っ込んで来る俺に対して、何の対処も取らないわけでもないらしい。彼女は本に意識を向けたまま、スク水姿の状態から背面のあの巨大マニピュレーターを出現させる。……あの格好からでも出せるのか!
華奢な少女から出て来た――とは到底思えないような、図太い機械の腕。一本だけこちらに伸びて来るソレは、空中から迫る俺に向けて、大きく掌を開くような動きを見せた。
……おぉ、受け止めてくれるってのか! やっぱり心根は優しい娘――
「ボゲラァッ!?」
――だと思える日がいつか来ると、俺は信じたい。
巨大マニピュレーターが繰り出す、手の甲からの痛烈ビンタ。その一撃で迎撃されてしまった俺の身体は、奇しくも茂さんと全く同じポーズで彼の隣に並ぶ運命に導かれていた。
この瞬間、ダメージ過多と判断され、着鎧が強制解除されたのは言うまでもない。俺の傷心を象徴するかの如く、ね……フッ。
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