第88話 ドラッヘンパイヤー現る
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が。
「あ、あ、あっ……!」
救芽井はこちらを見つめながら、自分のプライバシー全てを暴かれてしまったかの如く、顔を紅に染めて目に涙を貯めている。矢村だけは無事なようだったが、三人とも表情から訴えている雰囲気は近しい。
「な、な、なっ……! なんという、なんということだ! こっ、これが稀有なる運命をその身へ引き寄せ、全ての魂を救済する前人未踏の救世主……『救済の超巨乳』……! ――ひぎびゃああッ!」
「……あなたの魂だけは永遠に地獄をさ迷うべき……」
なんか浜辺から悍ましい断末魔が聞こえたような……。
い、いやそれよりも、ちょっ……ちょっと待って頂きたい。一体何がどうなってやがる!?
俺はただ、着鎧して水面まで浮上したってだけなんだぞ! それがどうしてこんなトンデモ展開にッ……!?
「い、今はまだ、だ、ダメぇぇえぇえーっ!」
「こ、心の準備がまだ、まだ……! い、いけませんわぁぁぁあああーっ!」
「アタシだけ差し置くなんて……! りゅ、龍太の……龍太のバカぁぁぁぁーっ!」
――だが、現実とは非情なもの。弁明はおろか、原因の探求すら俺には許されていない。
女性陣三人衆の、怒りと恥じらいの鉄拳。それは――着鎧甲冑の装甲を通し、内部の人間を直に破壊する、真の必殺兵器なのだ。
俺は「救済の超機龍」に着鎧した状態のまま彼女達に殴り飛ばされ、再び激しく宙を舞う。……あの三人をコンペティションに出した方が早くないかね甲侍郎さん。
「あら、劇的ホームランね!」
空高く舞い上がる俺を見上げ、所長さんはまるで他人事であるかのように笑っている。……Sだ。絶対にSだ!
――しかし、結局俺には何の非があったのだろう? わけもなく殴る彼女達ではないはずだが……?
大空をノーロープバンジーで滑空しつつ、俺は彼女達がらしくない暴力に訴えた原因を思案する。しかし、俺一人で考えたところで、正しい答えなど出てくるはずがない。
――それに、全ては状況が教えてくれたのだから。
俺が宙を舞い、(メンタル的に)散り行く中。視界に映る緑と茶色の物体が、俺に真実を教えてくれたのだ。
その二つは、俺の頭から離れていくようにヒラヒラと潮風に流され、持ち主の元へと帰還していく。
……なるほどね。引っ掛かってたのか。俺のぷにぷに角に……。
水上に上がる瞬間、俺の頭上を圧迫していた、双丘のバリケード。その上を目指して強引に浮上したがために、角が二人のビキニの隙間に引っ掛かり、両者の水着を奪取してしまっていたわけか。
つまり、端から見れば「救済の超機龍」は、自分の角から水着を二つも吊していたことになる。こんなヒーローあってたまるか……。
――しかし、謎は
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