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フルメタル・アクションヒーローズ
第87話 水着回到来
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トアウトを経て――その常夏の世界が、ついにベールを脱いだ。

「フォーッフォッフォッフォ! このワタクシの超圧倒的プロポーションをもってすれば、龍太様もイチコロざます!」
「……梢、がんばれー……」
「なぁっ!? くっ……ア、アタシやって十分魅力的なんやからなっ!?」
「ふんっ! なによ、みんなして色気づいちゃって! 誰がどう足掻いたって、私の婚約者というポジションは揺るがないんですからねっ!」
「むほー! ここが楽園! ここがユートピアッ! ワガハイの十九年の人生は、今この瞬間のために――ぶげらッ!」
「なにイキリ立たせてるざますか超ド変態鬼畜最低ツッパゲールッ!」

 夏の風物詩とも云うべき絶景を生み出す、蒼く広大な海。照り付ける日光を受けて、白く輝く砂浜。こんな風景を拝めるなら、ここに来たのも案外悪いことばかりじゃなかったのかも知れない。
 ……なんか向こうが騒がしいような気がするけどね。

 いくつかのパラソルで涼みながら、何かを激しく言い争う女性陣。こんなバカンス全開な世界でありながら、早速ボコられている茂さん。場所は変わっても、彼等は相変わらずらしい。

 だが、救芽井を初めとした女性陣の格好には、いつもと違う何かを本能で感じたのか――目が離せなかった。

 救芽井は深緑を基調にしたフリル付ビキニを着ており、その水着の色使い故、彼女自身の色白さが更に際立っているかのように伺えた。今にも弾けてしまいそうな、あの白い胸の揺れに勝てるほど、俺の紳士パラメータは優秀ではない。あのすらりと曲線を描いて伸びる純白の脚も、俺の視線を釘付けにするには十分過ぎる破壊力だろう。

 矢村はオレンジ色のキャミソール状の水着姿になっており、脚と腹の肌の色が、みずみずしい白と小麦色の二色に分かれていた。普段日に当たっていない分――すなわち、彼女のありのままの素肌が晒されているのかと思うと、ある種の背徳感すら覚えてしまう。……あ、やばい、昨日のアレを思い出しそうになってきた……。

 久水は――救芽井と同様にビキニを着ているようだが、色は焦げ茶色みたいだし、フリルも付いていない。それから、腰に同色のパレオを巻いている。……それだけなら、彼女にしては地味な格好だと思えたかも知れない。だが、やはり彼女は一味違ったようだ。
 ……小さい。いや、胸じゃなく、水着が。――ってか、サイズがギリギリ過ぎる! もうほとんど裸じゃないのかアレ!? どんだけ自分のプロポーション自己主張させる気なんだよ、ただでさえ今の面子の中じゃ間違いなく一番ダイナマイトなのにッ!?

 四郷は……ん? 遠くてちょっと見えにくいけど――まさかのスクール水着!? あれしかなかったのか、個人の趣味なのか、それが問題だッ! あ、多分所長さんの趣味かな、やっぱし……。
 
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