暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第85話 四本の腕を持つ少女
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かったよ。

 この腹の虫が上げる、魂の咆哮に……。

 ◇

 ――午前中は、四郷研究所側の発表会……と言ってたから、恐らくは「新人類の身体」……すなわち「今の」四郷の身体を造っていた場所で発表するつもりなんだろうな。
 俺は心配そうにこちらを見つめている眼鏡美少女から、あらゆる意味で諸悪の根源と目される、その人物の後ろ姿へと視線を移す。

 ――妹の身体を機械仕掛けにする。どんなご立派な理想を立ててそんなえげつないマネをしていたのか、今日こそ説明してもらうぞ。所長さん……!

「どしたん、龍太? なんか、怖い顔しとるで……?」
「ん? ――あぁいやいや、これから相手することになる『四郷研究所の取っておき』って、どんな凄いヤツなのかな〜ってさ」
「そっかぁ……。でも、大丈夫やって! 龍太なら絶対負けん! アタシが保証したるけんなっ!」
「ハハ……おう! ありがとなっ!」

 隣にいた矢村の反応によれば、そんな胸中が表情に出てしまっていたらしい。俺は自分を鼓舞してくれている彼女と手の甲を合わせ、その応援に応えて見せた。
 ……そうか。四郷が「新人類の身体」ってのを知ってるのは、救芽井エレクトロニクス側だと今は俺ぐらいなんだよな。あとは……久水か?
 ――なんにせよ、負けられなくなっちまうな。わざわざ俺なんぞのために、ここまでついて来てくれた矢村のためにも。

 やがて停止したエレベーターの先には――武道館を彷彿させる、広大なアリーナが広がっていた。

 無数のライトに照らされ、無機質ながらもどこか壮大さを感じさせる、今までの工場のような場所とは、一線を画した世界だ。

「広ッ!? なんなんやここッ!?」
「フォーッフォッフォ! 驚きまして? この最深部に当たる階層こそが、四郷研究所の誇る最大規模の地下実験施設、『グランドホール』ざます!」

 ……お前が解説しちゃうのかよ。つか、ネーミングそのまんまだな。あの「メディックシステム」ほどじゃないが。

 しかし最深部、か。確かにそれっぽいくらい人気がなくて不気味なんだよなぁ、ここ。
 野球場並にだだっ広いクセして、観客は俺達しかいないし。

「フフ、梢ちゃんったらせっかちなんだから。さぁ皆さん、こちらへどうぞ! 我が研究所の最高傑作をご覧になって!」

 そんな勝手に説明を済ましている久水を笑って許し、所長さんは仰々しく手を広げて声を上げる。
 そして、俺達をそのアリーナにおける観客席らしき場所へと案内していった。……あのだだっ広いアリーナ全体を使って、パフォーマンスでもやろうってのか?

「おや? 鮎子君の姿が見えないが……」
「あれっ? さっきまでここにいたのに……」

 その時、俺の後ろを歩いていた救芽井と茂さんが急に声を上げ
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