第84話 食事中はマナーを守ろう
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要はないわよ?」
「どういうこった?」
俺の訝しむような視線に対し、彼女は返事をするかのようにウインクしてきた。いや、それじゃ意味わかんないって。
「あなたは夕べ、彼女達の性癖を全部見たでしょう? それについてのあなたの正直な感想を述べてあげたら、大体のことは解決するわよ。彼女達、それで気に病んでるってところ、あるみたいだし」
「はぁ? そんなんでいいのか?」
「ええ。もしそれでダメだった時は、私を夕べみたいにめちゃめちゃにしてくれてもいいわ」
「……仲直りの件が片付いた時はそっちのこともやっぱ教えてくれ。普通に気になるから」
俺は所長さんの妙なアドバイスに眉をひそめながらも、今は従うしかないと腹を括る。――事実、仲直りするには腹を割って話さなきゃならないことだってあるだろうしな。
ていうか所長さん、三人には自分に何があったのかをちゃんと説明してたんだな。それで俺をハブるって、どういうことなんだよ……。
――いや、今はそこじゃない。
二度三度咳ばらいを済ませ、俺は三人の様子を交互に見遣る。やっぱり、顔は伏せたまんまか……。
「……あのさ。夕べには、その、いろいろあったみたいだけど」
そして俺が意を決して口を開くと、向こうも多少はこちらの気持ちを汲んでくれたのか、少しだけ顔を上げて視線を向けてくれた。全員上目遣いになってやがる……。
「俺はさ、別にそこまで悪い気にはなってねーよ。自分が何してたのかは把握してないから『全然』とは言い切れないけど。――夕べで、お前らのことがちょっとは解るようになれたかもしれないし、そこは収穫あったかなって思ってる。救芽井のことも、矢村のことも、久水のこともちょっとは知ることが出来たし、それで三人を嫌になったりはしないさ。むしろ、俺がなんか酷いことしてたってことなんなら、謝らせてくれ」
俺は三人に視線を何度も移しながら、自分が感じたこと、思うところを、彼女達がなるべく傷付かないように最大限配慮しつつ、垂れ流していく。
……まぁ、確かに嫌いになんかならないけど、人前を考えて是正した方がいいんじゃないかなー、とは思う。つか所長さん、アンタ「イイハナシダナー」って顔でウンウン頷いてるけど、自分が全ての元凶だってこと忘れてない?
「い、いいの……? 私のこと、嫌いにならないの……?」
「龍太ぁ……ありがとう……ホンマ、ありがとうなぁ……」
「龍太様……もう一生、離れませんわぁ……」
所長さんの言うことはあながちデタラメでもなかったらしい。
自分の黒歴史(?)を肯定された喜びゆえか、彼女達は感極まったように涙を浮かべ、口元を緩ませている。
……なんかイイ話って空気なのに、話題の中心が変態性癖って部分がツラいな……。
――だけど、彼女
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