第84話 食事中はマナーを守ろう
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……!」
――振り払われた。
……ちょ、ええぇえぇえ!?
なんで!? 朝の挨拶しただけだよね!? 最悪でも昨日の女性陣に比べれば全然健全な挨拶だったよね!?
「あ、あ、りゅ、龍太……君……!?」
俺が挨拶を拒否られショックを受けていると、今度は彼女の方から声が漏れてきた。あれ? なぜに顔が赤い?
こちらを上目遣いで見つめる彼女は、裸を鑑賞されているシミュレーションでも実行しているのか、胸と下腹部を抱きしめるように隠しながら、茹蛸のように顔を真っ赤にして全身を震わせているいる。……あれ? なんか首筋に付いてるような……?
「きゅ、救芽井さん? なんか首に付いて――」
「あ、や、ら、らめえぇぇええぇえっ!」
拒絶された直後ゆえに若干遠慮気味になりつつも、その部分を不審に思い指を当てて――みた瞬間、彼女はまるでいきなり胸でも触られたかのように素っ頓狂な声を上げ、俺の疑問が解明される前に逃走してしまった。
ちょ、速ッ!? 着鎧甲冑使ってる時より速くないですか救芽井さんッ……!?
……おいやべぇぞコレ、絶対夕べに何かあったんだ! あの救芽井がここまで俺を避けるような何かがッ……!
迷惑を掛けたなら謝らなくちゃならないってのはわかるんだが、その前に何があったのか把握しなくては。
「なんだよ、昨日俺が何したってん――おっ! 矢村と久水だ!」
その時、俺は部屋が近かったからか、珍しく二人一緒に歩いている彼女らを見掛けた。そして、今度は逃げられないようにと二人の前に回り込む。
「おはよう! ちょっと聞きたいんだけど、昨日の晩飯の時に何が――」
「きゃあああーっ!」
「いやあぁぁあぁんっ!」
……が、彼女らは救芽井によく似た反応を示すと共に俺を突き飛ばし、食堂目掛けて一目散に走り去ってしまった。茹蛸三人衆の出来上がりである。
――すいません。泣いていいですか。
……そして誰に聞くわけでもなく、俺は魂の奥底からそう呟いていた。
――食堂に全員が揃い、朝飯が天井から搬入されて食事が始まっても、気まずい空気が収まる気配はなかった。
瀧上さんは相変わらず伊葉さんを睨みながら味噌汁をすすり、所長さんは面白そうに俺達の反応を伺い、四郷は頬を染めて無関係を装うかのように、チビチビとご飯を口に運んでいる。
茂さんは「夕べはよくも樋稟の初めてを!」などと意味不明な供述をしており、救芽井・矢村・久水の三人は顔を真っ赤にしたまま俯くばかりで、俺とは目も合わせようとしていない。
「……あのさぁ所長さん、いい加減何があったか説明して欲しいんですけど……」
「単にあなたが知りたいだけなら教えてあげても構わないけど、彼女達と仲直りしたいっていうことなら、そこまで知る必
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