暁 〜小説投稿サイト〜
フルメタル・アクションヒーローズ
第83話 俺の社会的生命終了のお知らせ
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。なんなんだよ。

「お、おい? もしもーし? どうしたんだ急に?」
「むー、抱っこったら抱っこ抱っこ抱っこぉっ!」

 いきなり超甘えん坊モードに突入した救芽井は、両手足をジタバタさせながら駄々をこねている。端から見れば、幼児退行を起こした残念美少女の図だ。かつて松霧町で褒めたたえられたスーパーヒロインの面影を、完膚なきまでに粉砕する壊れっぷりである。
 しかもいつの間に用意していたのか、黄色いハート型のおしゃぶりまで装着済みであった。そんなもんどこで……。

 ……あ。

『こっ、これはねっ! し、親戚の子供が赤ちゃんだからねっ! あ、あやすために買ったんだからねっ! そ、そ、それがたまたま、ま、紛れ込んじゃっただけなんだからねっ!?』

 ――それをお前が使うんかいィッ!?

 そういえば、久水ん家に行く前から矢村に荷物のことで突っ込まれてたっけ。出発前に気づいてたなら置いて来いよ……。
 まさか元から自分で使うために――ってのはさすがにないだろうけどさ。

「ふえぇぇん! パパ、パパぁ、抱っこ抱っこ抱っこー!」
「誰がパパだ! ……あーもうわかったわかった、抱っこしてやるからもう泣くなって」

 こいつはおふざけでこういうことをするような娘じゃないし、ここまでぴーぴー泣かれるとさすがに可哀相になってくる。俺はあのジュースのせいではないかと勘繰りつつ、赤ちゃんを抱っこするのと同じ要領で救芽井の身体を抱え上げた。

「モゴーッ! モゴモゴフンゴフンゴッ!」
「うるさいぞ……貴様は黙って見ていろ」

 そんな状況を見て居ても立ってもいられなくなったのか、茂さんがより一層暴れはじめた――が、瀧上さんのアイアンクローに再び沈められてしまった。ブクブクを泡を吹きながら、無念そうな表情で仰向けに転がってしまっている。
 嗚呼……茂さん、せめて幸せな夢でも見ててくれ。

 ――それにしても、これにはなかなかキツイものがあるな。いや、体重は軽いから重さは問題じゃないんだが。
 まず、いくら救芽井が赤ちゃんぶってはいても、生来のナイスバディはそのまんまだということ。グラビアアイドルも裸足で逃げ出す巨乳を、真正面から受け止めることになる。
 次に、体勢の問題がある。赤ちゃんを抱っこする場合、大抵は親の身体を子供の股が挟むような格好になるわけだが、これを救芽井の身体で再現してしまうと、絵面的な意味で相当マズいことになる。端から見たら、「頭がフットーしそう」になることうけあいだ。
 そして、おしゃぶりをくわえた巨乳美少女が頻繁にほお擦りしてくるという、なんとも言い難い状況の問題だ。こんなことをしながら「パパ大好きっ!」と甘えてくる彼女に、俺は是非とも一言言ってやりたい。

 ――お前のような(胸の大きい)赤ちゃ
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