ペルソナ3
1931話
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ておく訳にもいかない……というのだろう。
「けど、じゃあどうする? 俺が探すにしても、結局のところペンテレシアみたいな探査能力はないぞ?」
正確にはスライムを使えばその階の探査をするのは難しい話ではないのだが、今はそれをまだ隠している。
ゆかり辺りには教えてもいいのかもしれないが……ともあれ、現在の状況では桐条……正確には幾月に対して俺の能力の全てを知らせるのは危険だと判断している。
「うむ。だが……っ!?」
ペンテレシアで周囲の警戒をしていた桐条が、急に強張った表情を浮かべる。
何だ、と周囲を見回す。
一瞬死神か? とも思ったが、死神が出てくる前なら念動力が危機を教えてくれる。
だとすれば、死神以外の何かだが……
「ゆかり」
「分かってる」
名前を呼ぶだけで、ゆかりもすぐに臨戦態勢に入る。
どこに敵が現れても、すぐにショートボウを撃てるように。
「桐条、出てくるのはどこからだ? シャドウだろ?」
「ああ。……このタイミングで、しかもこのエントランスに出没するのであれば、それは間違いなく満月に出てくるイレギュラーシャドウ。……来るぞ!」
その言葉と同時に、死神が出てくる時のような感じでシャドウが……イレギュラーシャドウが姿を現す。
それだけであれば、問題はない。
この状況でそうして姿を現すのは予想の範囲内の事だったのだから。
だが……予想と違う点が、1つ。
それは、姿を現したシャドウが1匹でなかった事だ。
「イレギュラーシャドウが2匹同時にだとっ!」
驚愕の声を発したのは、桐条。
有里が寮で倒したというのと、先月のモノレールを乗っ取ったイレギュラーシャドウ。
そのどちらもが、1匹ずつ出てきた。
そこから、イレギュラーシャドウは常に1匹ずつ姿を現す……のだとばかり思っていたのだが、実際には違ったらしい。
実際、こっちの戦力としてペルソナ使いが何人もいるのだから、イレギュラーシャドウもわざわざ1匹ずつ姿を現す必要はないんだよな。
厄介な事になったな。
正直、イレギュラーシャドウが1匹であれば、それこそ俺ならすぐにでもどうとでも出来る自信があった。
だが、2匹となると、1匹を俺が相手をしている間、残りもう1匹を桐条とゆかりでどうにかして貰う必要がある。
現状最強のペルソナ使いのゆかりだが、それでもイレギュラーシャドウを桐条と2人でどうにか出来るかと言えば……どうだろうな。
シャドウとの戦いで重要なのは、実力もそうだが相性だ。
弱点を突かれると倒れるという特性を持っているように、こっちの攻撃を耐える能力を持つシャドウというのも、珍しくはない。
その辺り……
「桐条、どうだ! あの2匹のシャドウの能力が分かるか
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