ペルソナ3
1931話
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、それでも出来るだけ早く移動しておいた方がいいのは間違いない。
「こういう時って、アクセルがいてよかったと思うよな」
順平が呟き、他の者達が同様だと頷く。
正直なところ、俺もそれは間違ってないと思う。
もしここに俺がいなければ、まず最初に鍵を必要とする必要があった。
だが、それは俺がいれば話は変わる。
「じゃあ、行くぞ」
その言葉と共に、俺を中心として影のゲートが展開。
そこに身体が沈み込んでいく。
うわぁ……といったような声が聞こえたような気もしたが、その辺は諦めて貰うしかない。
そうして、次の瞬間……俺達の姿は、体育館の倉庫の中にあった。
「相変わらず便利な能力だな。……アルマー、一応聞いておくが、この能力を使って犯罪はしていないだろうな?」
桐条が確認するようにこちらに視線を向けてくるが、俺はそれに肩を竦めてから口を開く。
「犯罪って言えば、今ここにこうしているのも犯罪じゃないのか?」
「う……」
まさかそう返されるとは思っていなかったのか、桐条が言葉に詰まる。
もっとも、月光館学園は桐条グループの持つ学校であり、桐条はその桐条グループの会長の1人娘だ。
そう考えれば、犯罪じゃないのか?
「ともあれ、影時間になる前に無事こうして山岸が閉じ込められた倉庫に入ることが出来たんだ。後は、時間を待つだけだな」
上の方に填め込まれている窓からの月明かりだけが、唯一の光源だ。
炎獣で明かりを作るか? と思ったが、どうせもうすぐ影時間なんだし、その辺りを心配する必要はないだろうと判断する。
「それにしても、うちの学校で苛めなどというものがあったとは……正直、信じたくはなかったが」
無念そうに桐条が呟く。
真面目な桐条にしてみれば、自分が通い、生徒会長をやっている学校でそのような事になっているとは思いたくなかったのだろう。
だが、実際に苛めはあった。
今回は山岸の一件だったが、よく調べれば実際にはまだ他にも同じような苛めがあってもおかしくはない筈だ。
それが表に出てくるのかどうか、微妙なところだが。
「人がいる限り、悪意というのはなくならないんだろうな」
「しかし、アルマー。それでは……」
「っと、悪いな。話はそこまでだ」
携帯で時間を確認すると、既に時刻は午後11時59分。
日付が変わり、影時間になるまで残り1分を切っている。
こうなると、もうお互いに喋っている時間はなかった。
「それぞれ、影時間になったら何があっても対応出来るように準備をしておくように」
桐条の言葉に、その場にいる全員がそれぞれの武器を手に、頷きを返す。
そしてタイミングを合わせるように……次の瞬間、世界は本来有り得な
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