教え子たちの休日
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
この前会った時にティアナさんとは割と会ってるって言ってましたし」
エリオの顔を見る限り悪いことを話してたようには思えない。
だけど……職業病なのかしら。どうしても今の言葉に何かあるんじゃないかって考えてしまうわ。あの人ってさらっと毒のある言葉を言ったりするし。心を許してる相手くらいにしか言わないと分かってるけど、それでも気になるわ。
「もしかして……私に対して変なこと言ってた?」
「いえ、そんなことは。キャロ、頑張ってるって感じのことしか言ってなかったよね?」
「うん。抱え込んで無茶しなければいいって心配はしてたけど」
それはそれで恥ずかしい気持ちになるんだけど。無茶してた時に止められたことがあるだけに。ま、まあ……嬉しくもあるけど。
「うんうん、ティアってあれこれ考えちゃうからね。ショウさんの気持ちはよく分かるよ」
「あんたの方が心配されてそうだけどね。日頃から無茶しそうなタイプだし」
「そんなことないよ。ね、エリオ?」
「それはその……あはは」
その乾いた声が全てを物語り、スバルは盛大に肩を落とした。次の瞬間には心配されないように頑張ると張り切りだしたけど。
そのやる気が空回りしそうだから私や周りは心配になるのよね。本人は自覚していないだろうけど。とはいえ、そこがスバルの良いところでもあるわけだし。見方を変えれば何とやらって感じよね。
「あんたって本当に前向きよね」
「悪い方に考えても良くないからね! ……ショウさん、他には何も言ってないよね?」
「あ、あんたね……堂々と言っておきながら何で急に後ろ向きになんのよ」
「だ、だって……ショウさんってうちの家族と親しくしてるし。もしかすると私が知られたくないことまで知ってそうだから」
あぁ……まあ確かにあんたのお父さんとは昔からはやて経由で交流があったわけだし、ノーヴェ達とも仲良くやってるみたいだしね。あんたの知らないところであれこれ知られてる可能性はあるか。
まあでも日頃から気を付けてればいいだけの話なんだけど。
「大丈夫ですよ。スバルさんを責めるようなことは言ってませんでしたから。それにリョウも来てましたし」
「リョウ? ティア、誰か分かる?」
「どこかで聞いた覚えはあるわ……」
流れからしてショウさんの知り合いなんでしょうけど……そういえば、ショウさんって何人かに剣を教えてるとか前に言ってたわね。
「もしかしてショウさんの弟子?」
「はい。リョウは僕やキャロとは年が近いんで兄さんがたまに連れてきてくれるんです」
「そうなんだ。どんな子なの?」
「そうですね……年齢以上に落ち着いてるというか穏やかな感じです」
「でも兄さんや兄さんの師匠の織原先生から剣を習ってるからか、剣を持った時は雰囲気が変わる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ