教え子たちの休日
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久しぶりです」
そう明るい声で話しかけてきたのは、待ち合わせをしていたエリオ達だ。
六課に居た頃はそれほど体格に差はなかったふたりだが、今ではずいぶんとエリオの方が大きくなっている。具体的に言えば、キャロとは頭ひとつ分ほど違う。まあエリオの年齢的に伸びる時期なのでおかしいことではないだろう。
でも……何ていうか会う度に大きくなってる気がするわ。
別に悪いことじゃないんだけど、あの小さかった子がこうなるのって思うところがあるわね。子が育つ親の心境ってこういうことを言うのかしら。
「エリオにキャロ、久しぶり。エリオ、また背が伸びたんじゃない?」
「最近測ってないので詳しくは分からないですけど、多分伸びてるとは思います」
「キャロの方は相変わらずみたいね」
「ティアナさん、わたしだってちゃんと大きくなってるんです。エリオくんが伸び過ぎなだけで!」
そう言われても出会った頃からさほど変わったように思えない。
女にとって1センチとかが大きいってのは分かるんだけど、それだけで背が伸びたと分かるかと言われたら厳しいものがある。
キャロが嘘を言ってるとか見栄を張ってるようには見えないし、多分本当に伸びてるんでしょう。ただエリオほど見ただけで分かるほど伸びてないのは確かよね。
割と気にしてるみたいだし、あまりこの話題に触れるのはやめておきましょう。
エリオ達が空いていた席に腰を下ろすと、スバルは店内でテキパキと働いている店員のひとりに声を掛ける。
「ノーヴェ〜」
「うん?」
「注文したいんだけどいいかな?」
呼び鈴押せば誰かしら行くだろ。何でわざわざあたしなんだよ……。
ノーヴェはそう言いたげに一瞬顔をしかめたが、モタモタしているとディアーチェさんが動いてしまうとでも思ったのか、小さく息を吐くとこちらに歩いてきた。
「ご注文は?」
「ノーヴェ、一応私達もお客さんなんだよ? そういう不機嫌そうな態度はやめた方がいいとお姉ちゃんは思います」
「そういうのがあたしの癪に触ってんだよ。大体……わざわざあたしを指名する必要もねぇだろ」
「それはほら、ノーヴェが話しかけやすいから」
笑って誤魔化すスバルにノーヴェは何か言いたそうだ。
だが私達に対して知り合いとはいえ客であるという理解はあるのか、ぶっきらぼうにではあるが何を注文するのか聞いてきた。そのため私達はそれぞれケーキや飲み物を注文する。
知っている人は知っているだろうけど、スバルとエリオは人一倍……いや人の数倍は食べる。
故にこういうときも注文する量はひとりだけで数人前に達するわけで……注文を聞き終わったノーヴェが注文を受けたのが自分で良かったとボソッと呟いた気持ちは理解できるだろう。
「エリオにキャロ、見た感じ元気
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