凡人に世界を変える力はない。だけど、ほんのわずかだが流れを変える事が出来る
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ほはそんな私にも気にしない素振りで接してくれた。
尊敬する隊長に少しでも近づきたい為に、私は常にライバルとなる人間たいして牙を向いていた為に黒森峰で親しい人間はいなかった。でも、みほはそんな私に対して常に気にかけてくれた。ルームメイトという事もあるだろうけど、いつか絶対に副隊長の座を奪ってやると強く当たってるのにどうして私に優しく接してくれるのかと常に不思議に思った。その事を中等部にいた時にみほ本人に聞いたことがあった。
「私はエリカと友達になりたいからだよ」
友達。この言葉を聞いた時は私は初めは激怒した。私にとって貴女は副隊長の座を競うライバルと思ってたのに友達なんて甘い言葉を言うなんて、私は眼中にすらないのか!と、みほに反論したのだ。
「嬉しかったんだ。そうやって私個人を見てくれてる事が」
みほは語った。みほは西住流の次女だ。小さいころより戦車道に触れてきた人間だ。西住流という戦車道の名門の本家に生まれた次女は周りからは当然のように戦車道をやるように求められた。そして姉の隊長同様にみほも西住流に恥じないように努力した。その結果は姉の隊長とも勝るとも劣らない才覚を周りに認めさせたが、それ故に同年代の友人が出来なかった。そして西住みほに挑もうとする同世代の少女達はいなかった。誰も同じように諦めたように口にする。
「相手は西住流の娘だ。初めから敵わない。」
「生まれた時から才能が違う」
誰もが西住みほの才能を前にして追い抜くという事を諦めたのだ。同世代の少女達とは明らかに異色なみほは、戦車道において対等な友人という存在があまり存在しなかった。それ故に初めは中等部でも自分の力を発揮すれば、直ぐに諦めるだろうと思ったらしいが、どんなに負けてもあきらめずに噛みつこうと言わんばかり食らいつく私に興味を持ったらしいのだ。
この話を聞いた時に私は自分でよくわからず興奮していた。みほは誰に対しても笑顔で親しく付き合ってくれる。基本的に誰に対しても平等だ。だが、特別と思ってくれる人がいると言えば首を傾げるしかない。あのみほが自分から友達になりたいと本心で話してくれる。私はこの時の話を聞いた時は自慢したいと思ってしまった。みほが自分から私に友達になりたいって言ってくれたんだよと自慢したい気持ちでいっぱいだった。この時からだろう。私が更に打倒みほを掲げて更に戦車道に対してのめり込んで、みほの太陽を自分だけで向けてくれるように、対等な友人としていられるようにと努力した事は。
みほや隊長と比べたら私、逸見エリカは才能はない。周りは西住流の体現者である西住姉妹に対して無謀な挑戦と笑うだろう。そんなこと知った事か。私は誰よりもあの太陽を独占したいのだ。あの誰に対しても心を穏やかにしてくれる太陽を自分だけに向けてくれてるように
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