暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第140話「覚妖怪」
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”みたいな姿にならなかった?」

「……?ううん、そうは見えなかったけど…」

「………」

 心配してきたフェイトちゃんに聞くけど、見えなかったらしい。
 他の皆も同じみたいで、やっぱり私だけにしか見えていなかった。

「(……どう言う事…?)」

 まるで幽霊を見たような気分。
 あの“天使”のような姿には、一体どんな意味が…。
 それに、私にしか見えなかったのは一体…。

「っ、待って!幽世の門が…!」

「瘴気が止まらない…!?」

 思考を遮るように、ユーノ君が何かに気づく。
 そこには、幽世の門の瘴気が止まらずに溢れてきていた。

「もしかして、守護者が自滅するような事になったから…!?」

「じゃ、じゃあ、閉じないと!でも、どうやって……!」

「“妖捕結界”!」

 咄嗟に、ユーノ君が結界を門の周りに張る。

「それは…!?」

「妖の生態を調べてね…!これなら、霊力の類でも結界内に取り込める。……でも、これでもダメみたいだ…!」

 霊力の類…つまり、門から溢れる瘴気も取り込める。
 それを利用して押し留めてるけど…長続きはしないみたいだった。

「どうすれば…!」

 瘴気を祓う方法を、私達は持ち合わせていない。
 途方に暮れたその時……。







「後ろから、失礼します…!」

   ―――“刀奥義・一閃”

 背後から誰かが駆け抜け、門へ向けて刀が振るわれた。

「……はっ!」

 刀の一撃で瘴気が切り裂かれ、門へ向けてその人は霊術らしきものを放つ。
 そして、門は閉じられた。

「貴女は確か……」

「小烏丸蓮と名乗っています。アリシアとは仮契約している身です」

「あの、傷は……」

 そうだ。この人は何者かに斬られて、瀕死だった人……。
 傷自体は治ったってアリシアちゃんが言ってたけど…。

「傷ならご心配なく。体も全快とはいきませんが、門を閉じるぐらいならこの通り」

「…そうですか。…ありがとうございます」

 何はともあれ、私達は助けてもらえたみたい。
 その事で、リニスさんがお礼を言う。

「いえ、私も式姫の一人。……このような事態に、じっと回復を待つだけというのは、我慢できません」

「…とにかく、一旦アースラに戻りましょう。フェイト達には仮眠も必要ですし、何より今回の戦闘で消耗が大きすぎます」

「……そのようですね」

 私達の様子を見て、蓮さんも同意する。
 とりあえずは、一旦帰還するようだ。















   ―――……結局、あの“天使”の姿は、なんだったんだろう……?







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