第5章:幽世と魔導師
第140話「覚妖怪」
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力は劣るけど、これで……!
「っ……?待って!何か様子がおかしい!」
「え……?」
ユーノ君が何かに気づき、慌てる。
警戒しようと、私達は注意を向けたその瞬間……。
「……!?こ、これこれコココレレレ!?」
―――“全ての負の記憶”
“闇”が溢れ出し、私達の魔法を押し退けてきた。
その衝撃波に私達は吹き飛ばされてしまう。
「か……はっ……!?」
近くにあった木に叩きつけられ、息が無理矢理吐き出される。
一体、何が……!?
「嘘!?あれは……!」
忘れられない、いや、人がいる限り忘れてはならない存在。
生き物の“負”の感情、エネルギー全ての、集合体。
文字通りの、この世全ての悪……!
「アンラ・マンユ……!?」
再現だというのは、わかる。
でも、あれは司さんでも全力でやって勝てるか分からないロストロギア。
あの場にいた全員の力を振り絞って、ようやく勝利を掴み取った存在。
……そんなのが、再現されたら…!
「っ!」
とにかく、同じ場所に留まっていたらダメだと思い、空へと飛ぶ。
同じように、皆も飛んできた。
「あれすらも、再現するって言うのかい…!?」
「……いや、あれは再現とは言えない。明らかに、自滅している…!」
「あまりにも強大な力に、自身が耐えきれない訳ですね。…憐れな」
一度大きく広がった“闇”は、段々と小さくなっていく。
多分、自滅して行ってるからだと思う。
「…でも」
「っ!」
けど、だからと言ってそのまま終わる訳ではない。
自滅すると言っても、半分暴走しているようなもの。
本物より圧倒的に劣っているとは思えない程の、“負”のエネルギーが私達を襲う。
「『防御魔法で防げると思わないで!射撃、砲撃魔法で逸らす事を意識しつつ、回避に専念!絶対に被弾は避けて!』」
「『う、うん!わかった!』」
ユーノ君から、指示を出される。
アンラ・マンユと違って、こっちは霊力混じり。
だから、全力の防御魔法でもすぐ破られるかもしれない。
「くっ……!」
空中で身を捻らし、何とか“負”のエネルギーによる触手を躱す。
姿勢制御が追いつかないと悟った私は、地面で躱す事にする。
「(自滅すると言っても、こっちからも攻撃して怯ませた方が…)」
躱すだけと言うのは、ちょっと厳しいものがある。
砲撃魔法や射撃魔法ならともかく、触手のようにうねる攻撃を躱し続けるのは非常に難しい。…現に、フェイトちゃん以外は躱すのが厳しそうだ。
「(それに、攻撃した方が、早く倒せる…!)」
自滅するにしてもしないにしても、そうした方が
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