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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第140話「覚妖怪」
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私も魔力を集束させる。

     キィン!

「っ!?」

「えっ!?」

「これは…」

「バインド!?」

 その瞬間、私達全員がバインドのような霊術で拘束されてしまう。

「何も、ここまで再現しなくても…!」

「牽制の砲撃から拘束まで……容赦なさすぎるよ…!」

「…いや、それなのはがやった事だからね?」

「……あ」

 ……そういえば、そうだったなぁ…。
 あれ?もしかして、これって私がフェイトちゃんにこんな事したから起きてるの?

「(それはそうと、本当にまずい…!このままだと…!)」

 すぐにでもバインドを破壊しないといけないのに、それが出来ない。
 フェイトちゃんの思い出補正でも掛かっているようで、凄く丈夫だった。

『皆!無事!?』

「『っ、ユーノ君!』」

 その時、ユーノ君から念話が来た。

「『ユーノ君!今、どこに…!』」

『すぐ近く!状況は理解できたよ。……任せて!』

 その瞬間、鎖がしなる音と共に大木や大岩が守護者に向けて飛んでいく。
 同時に、チェーンバインドが私達を守るように周囲に現れる。

『ちょっと荒っぽいけど、我慢してね!』

「っ!?」

     パキィイン!!

 飛ばした大木と大岩で目暗ましをしている間に、ユーノ君が現れる。
 そして、あろうことかユーノ君は、掠めるようにバインドだけを殴った。
 それで瞬時にバインドを解いた。

「ユーノ君、いつの間にこんな事を!?」

「僕なりに強くなろうと思った結果さ!それよりも、アレに対抗するためになのはも魔力を集めて!」

 凄い芸当をできるようになっていた事に私は驚く。
 それに簡潔に答えたユーノ君は、そう言ってフェイトちゃん達の方にもいく。
 ……私を最初に解放したのは、ユーノ君も守護者のアレがまずいと判断したからだろう。……闇の書の時は、拡散型になってたけど、こっちはオリジナルそのままで集束型のままだからね。

「(攻撃は最大の防御…なんて、聞いた事あるけど、それを実践する事になるとは思わなかったよ…)」

 霊力と魔法の相性から、完全に相殺と言う訳にはいかないだろう。
 例え相殺できても、余波がある。
 これは、同じ魔法で“対抗”するんじゃなくて、“防御”するんだから。

「ふぅー……」

 魔力を集束させ、照準を守護者の方の桜色の光に合わせる。
 すると、バインドが解き終わったのか、皆が傍に来る。

「……余波は僕とアルフで防ごう。フェイトとリニスさんは、下から砲撃魔法を撃って、何とかして上に逸らしてほしい」

「…あの砲撃の脅威を空へと逃がす事で、凌ぐ訳ですね。……相殺や防御よりは現実的ですね…」


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