第5章:幽世と魔導師
第140話「覚妖怪」
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振るわれるいくつもの木の根。
…かつての時は、こんな攻撃はしてこなかった。
やっぱり、妖が見せている偽物だからちょっと違うのかな?
それとも、私が“見たくない”と思った事から、脅威が増しているのかな?
「これぐらい…!シュート!」
レイジングハートで木の根を逸らし、その反動で私は浮き上がる。
弾かれるように空中へと逃げつつ、魔力弾を放つ。
もちろん、それで倒せる訳じゃないけど、牽制にはなった。
「フェイト!アルフ!しっかり攻撃を見ればそこまで脅威ではありません!」
「っ……!」
「そのようだね…!」
確かに、リニスさんの言う通り、そこまで脅威がある訳じゃない。
ただ、規模が大きいため、結界外に被害が出るかもしれないというだけ。
だから、フェイトちゃんの素早さなら躱せるし、アルフさんも対処できる。
「バスター!!」
攻撃の合間を縫って、私は砲撃魔法を中心部に放つ。
以前も中心が弱点だったし、今回も守護者が中心にいるはずだからだ。
「っ、さすがに、防がれる…!」
でも、それは木の根が連なる事で、防がれてしまった。
おそらく、私には良く分からないけど、全体的に霊力が込められているから、以前の時のように簡単には突破できなくなっているんだと思う。
「なら…!『フェイトちゃん!』」
「っ!『リニス、アルフ!援護!』」
『了解!』
『わかりました!』
遠距離がダメなら、近距離で。
そう考えた私は、念話でフェイトちゃんに呼びかける。
すぐに意図を汲んでくれて、私達は中心部へと向かう。
ちなみに、この前アリシアちゃんに指摘されたから、指示を念話で行っている。……なんでも、声に出すと動きが読まれるんだって。優輝さん達の受け売りで言ってたけど、考えてみれば確かにその通りだよね…。声に出すとしても、合図だけにしておくべきだって教わった。
「レイジングハート、新モード、行ける?」
〈Of course〉
木の根を躱し、その根を伝うように駆ける。
同時に、レイジングハートに一つ尋ね、返事を聞くと同時に飛ぶ。
「よし、じゃあ行くよ!」
〈“Sword mode”〉
強くなるために鍛えるにあたって、私は体力だけを強化した訳じゃない。
お兄ちゃん達から刀の扱い方の基礎を教えてもらって、レイジングハートにそのモードを加えてもらった。
「(まだ使い慣れていないから、一撃だけ。これで突破口を開く!)」
手に現れるのは、メカメカしい一振りの刀。サイズは小太刀ぐらい。
もう一振りあるけど、二刀はまだ扱いきれないので鞘に収まっている。
「フェ
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