第5章:幽世と魔導師
第140話「覚妖怪」
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してくれたのかな?
「…厄介な相手です。相手の“見たくない記憶”を見せてくるなんて…」
…そう。私達は、幽世の門を見つけて、守護者と戦っていた。
ユーノ君がまだ追いついていないけど、ユーノ君はどうやら他の妖を戦っているようだった。念話で確認してみれば、負ける事はなさそうだったけど…。
とにかく、私達だけでも抑え込もうと、結界で隔離して、戦闘を開始した。
でも、守護者は私達の心を読んで、それで…。
「……っ……」
確かに、あの時は寂しかった。
でも、実際はそこまで孤独ではなかったはず。
……多分、幼い頃の私自身が、それほどの孤独感を覚えていたからだろう。
記憶の持ち主の、当時の感じ方によって、その脅威は増すって事?
「……一言言わせてもらうとしたら、とんでもなく、悪趣味ですね!!」
―――“サンダーレイジ”
仕返しなのか、リニスさんが砲撃魔法を放つ。
しかし、それはひらりと躱されてしまう。
「っ…?」
「フェイトとなのはに酷い事をした責任、取ってもらうよ!」
けど、すぐにアルフがチェーンバインドで捕える。
さらにリニスさんがバインドを追加して身動きを取れないようにする。
「―――人々に被害が出たのね」
―――“大樹の記憶”
「なっ…!?」
「これは…!」
守護者の体がまるで木が急成長するかのように膨れ上がる。
瞬く間に大きくなり、バインドは引きちぎられてしまう。
「……嘘、これって…」
「なのは、見覚えが…?」
「……ジュエルシードの、暴走体…」
巨大な木を見て、私はジュエルシードの暴走体を思い出した。
そう。これは、本当なら気づいていたのに、気のせいと思って街に被害を出してしまった、あのジュエルシードの暴走体だ。
「嫌…また街に被害を出したくない…!」
「なのは…!?っ、この…!!」
結界が張ってあるとはいえ、それが“絶対”とは限らない。
あの時の後悔を思い出してしまい、私はその場に蹲ってしまう。
「なのはさん!しっかり!」
「っ……!」
気配を感じ、咄嗟に飛び退く。
間一髪、私を狙っていた木の根を躱す事に成功する。
〈Master.I understand your feelings, but please concentrate on battle now〉
「う、うん…!」
…そうだ。結局はこれは偽物。
私が後悔したからこそ、見せてくるんだ。
……だったら、それを乗り越えなきゃ…!
〈Come!〉
「っ…!」
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