1. 特別な日
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あの顔を見ればわかる。彼にとって、私はとても大切な仲間。
……だけど。
ぽんと私の肩が叩かれた。いつの間にか、私の背後に隼鷹が立っている。
「……川内」
「ん?」
「店に入ろっか」
振り返り、笑顔を向けた私に対する隼鷹の表情は、とても優しい。私は、努めて明るく振る舞う。
「そだね」
「今日は開店初日だからさ。ハルには頑張ってシャンプーでもしてもらおうか」
「うん。そして今日こそ夜戦を……ッ!!」
「それは勘弁してやんな。せいぜい足の裏をかいてもらう程度にしといた方がいいよ」
私の夜戦への固い誓いを聞いて苦笑いを浮かべる隼鷹と、軽口を叩き合いながら、私は店へと入る。ドアは自分で開けるドアで、開くと『カランカラン』と優しいベルの音が鳴った。北上のお店とベルの音を合わせているということを知ったのは、後になってからのことだった。
入り口をくぐると、目の前にはレジがある。
「……あ」
そこで私は、随分と懐かしく、そしてとてもうれしいものを見つけた。
隼鷹よりも先にレジに駆け寄り、その懐かしい写真を手に取った。古めかしいアンティークな雰囲気を漂わせる写真立てで飾られたその写真は、あの鎮守府での最後の秋祭りの時に撮った、思い出深い一枚だ。
『ちょ……ハル……もうちょっと離れるクマっ』
『お前だってもうちょっと離れろよっ……アホ毛が刺さるッ』
『だからハルがもうちょっと離れるクマっ』
『川内も押すなって……』
『えーだって写真に入り切らないじゃんっ』
『いやそうだけど……くっつきすぎだろっ』
『写真に入り切らないから』そんな幼稚な言い訳を思い出し、私は苦笑いを浮かべた。そんな子供みたいな理由を口実にした写真の中の私は、彼の隣で、満面の笑みを浮かべて、上機嫌に写っていた。
この写真は、私も自分の家に飾っている。私とハルが、同じ写真を写真立てに入れ、大切に飾っている。
「……」
私と同じものを……彼と私が、一緒に写っている写真を、彼が大切にしてくれている……その事実が、どことなくうれしかった。
たとえそれが、彼にとっては大切なみんなとも思い出の写真であって、決して、私との思い出の写真ではないとしても。
「……へへっ」
あの日から数週間経過した今日は、ハルと球磨の結婚式の日だ。式といっても、大層な披露宴をやるわけじゃない。北上の喫茶店『ミア&リリー』で、かつての鎮守府のみんなが集まって、ささやかな手作りパーティーを開くだけだ。
「……」
寝ぼけた頭をボリボリとかく。寝癖が中々に酷い。それが、私の重い腰をさらに重くした。
意を決して布団から飛び起き、出発の準備をすすめることにする。冷蔵庫から牛乳を出し、紙パ
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