こうして、西住みほは原作を崩壊させた
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
あらゆる西住みほの平行世界の経験と記憶を継承した俺だが、原作から多少の差異はあったが俺が黒森峰中等部から高等部に行くことは変わりはなかった。そして原作同様に既に二年生でありながら黒森峰で隊長職についている姉である西住まほから副隊長に任命された。何かしら俺に対してやっかみがあるかと思った。俺は確かに西住みほの名声を崩さないように中等部において好成績を残して高等部に来たが、西住流の次女で実力があるからといっていきなり一年生に副隊長を負かせるなんて、周りが納得しないだろうと普通は思うだろう。だけど、何故か周りはたいして反対はしなかった。しかし、それは表立って反対しないだけで陰では俺の副隊長に抜擢された事は嫉妬されていた。
「何で一年生に副隊長を……」
「確かに中学の時に好成績を収めたからって」
「西住流の次女だからって……」
普通はそうだよなと思った。だけど、それを気にしてたらやってられない。俺はこれでも何年も西住みほを演じてきたのだ。いちいちちょっとした影口を気にしたらすぐに精神崩壊を起こす。だけど、それもあと少しで終わりを迎える。俺は西住みほという人形から解放されるためにある策を実行に移した。それは、西住みほをこの世からいなくなることだった。もう、俺は疲れた疲れ果てたのだ。西住流の重圧と勝てば勝つほどにただ世界を知っているだけの詰将棋をやって勝っている事に、そして何より西住みほを演じる自分自身にだ。
だから俺は原作通りに第六十二回戦車道全国高校生大会の決勝戦において、原作通りの展開に進めるように副隊長の責務を実行した。俺の前方の車両が川に落ちた。そして俺は、乗員を助けるために川に飛び込んだ。予想通りに雨の影響下、川の流れは激しかった。俺は川に落ちた乗員を助けるために懸命に一人、また一人と助けた。最後の一人を助けたが、俺はあえて川の流れに身を任せて流された。途中で黒森峰の生徒の悲鳴が聞こえたように思えたが、そんなことは既に俺の知った所ではない。このまま流されて死ぬことが俺が解放される唯一の手段だった。そして、俺はこの瞬間をまっていた言わんばかりにあの爺さんの特典のうちの二つの願いを願った。
「俺、西住みほを別の存在へ転生させて、この世界の住人にしろ」
「西住みほの死体を用意しろ」
下流まで流されて虫の息で、いつ意識が失っても可笑しくないと感じた俺はこの願いを叶った。そして、気がつけばそこには、つい先ほどまで俺だった西住みほの死体があり、そして俺は別の存在へと転生していた。顔は黒髪の短髪であり、何処にでもいる男子高校生といった感じた。
「やった……俺は遂に解放されたんだな!」
これほどうれしい事はない。ようやく俺は自分の意思で生きていけるんだなと、実感したのだ。そうやって喜んでの束
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ