第四十五話 新婚旅行
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軍所属、戦列艦アガメムノン号艦長のホレイショ・ネルトンと申します。以後お見知りおきを」
「その副官のヘンリーボーウッドです」
「……よろしく」
マクシミリアンは、先日の『盛大な出迎え』に関係していて、自分にケンカを売って来たと予想した。
「単刀直入に申し上げます、王太子殿下。あの煙を上げて進むフネに、一度で良いですから乗せて欲しいのです!」
……が、その予想は外れた。
「え〜っと」
「是非、乗せて下さい。お願いします!」
マクシミリアンは、自分の両手を握って迫るネルトンに、一瞬たじろいだ。
「ダメ」
が、一言で突っぱねた。
「何故ですか! 嫌ですよ乗せて下さい」
「嫌って何だよ嫌って」
「一度で良いんです! ほんのちょっと!」
「機密なんだからダメ」
「艦長、いい加減に諦めましょうよ。これ以上は、外交問題になりかねません」
「うううう」
「ミスタ・ネルトン。どうしても乗りかかったらトリステインに鞍替えしますか? それなら乗れるようになります」
「むむ……それは」
流石にネルトンは躊躇した。
「そちらの、ミスタ・ボーウッドもどうでしょう? 我がトリステイン王国は、優秀な人材を随時募集しています。国内外から老若男女、貴賎を問わず、ね」
「貴賎を問わず?」
「そうです、ミスタ・ボーウッド。優秀ならば平民でも艦長になれますよ」
「ううむ、どうしようか」
「ちょっ、艦長! マクシミリアン殿下、大変失礼しました。我々はこれで……」
ボーウッドは、傾きかけたネルトンを羽交い絞めにして、マクシミリアンの前から去っていった。
「……もうちょっと、突っ込めば良かったかな?」
優秀な人材を引き抜くことに失敗したマクシミリアンだったが、それほど気にしてなさそうだった。
……
台風一過、人ごみから離れ、一人でアルビオンワインを傾けていると、カトレアと緑色の髪の少女が近寄ってきた。
「楽しんでるようだね、カトレア」
「マクシミリアンさま。ご紹介しますわ。こちら、サウスゴータ家の令嬢、マチルダ・オブ・サウスゴータさんです」
「ご紹介を賜りました、マチルダ・オブ・サウスゴータです。賢王子と名高いマクシミリアン殿下とお会いすることが出来て、大変、光栄です」
マチルダは恭しく頭を下げた。
「よろしく、ミス・サウスゴータ。これからもカトレアと仲良くしてやってください」
「はい」
「マチルダさんとは、ファッション等、アルビオンで流行っている物を教えてただきましたわ」
「そうか、ありがとうミス・サウスゴータ」
「恐縮でございます。マクシミリアン殿下もカトレ
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